
上級食品表示診断士のヤマケンです。
さっそくですが、ムンディーファーマさんの「イソジンのど飴(はちみつ金柑)」の食品表示を見ていきたいと思います。
※筆者および本サイトは、商品のメーカーとは一切関係がありません。最新の情報は、実物の表示やメーカー公式サイト等をご確認ください。

イソジンのど飴(はちみつ金柑)の栄養成分表示

栄養成分表示 | 単位 | 1袋54g当たり | 100g当たり | 区分 |
---|---|---|---|---|
エネルギー | kcal | 211 | 390.74 | 義務表示 |
たんぱく質 | g | 0 | 0 | 義務表示 |
脂質 | g | 0 | 0 | 義務表示 |
炭水化物 | g | 52.6 | 97.41 | 義務表示 |
食塩相当量 | g | 0.07 | 0.13 | 義務表示 |
亜鉛 | mg | 4.0 | 7.41 | 任意表示 |
実際の表示 | 当サイト計算 |
イソジンのど飴(はちみつ金柑)の栄養成分表示は、1袋54g当たりの単位で表示されていて、カロリーは211kcalでした。
義務表示のエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量に加えて、任意表示の亜鉛が表示されています。
なお、ポリフェノールやコラーゲン、β-カロテンのように、食品表示基準に定めらた栄養成分及び熱量以外の成分については、栄養成分表示の枠外に表示します。
イソジンのど飴(はちみつ金柑)では、モノグルコシルヘスペリジンが枠外表示されています。
「※1粒あたり約11kcalです。」という文言は、表示義務のあるものではなく、消費者の方への情報提供として、自主的に表示しているものだと思われます。
僕もメーカーで消費者の方からのお問合わせ担当だったことがありますが、栄養成分表示に関するお問合せの中では、カロリーに関することが圧倒的に多いんですね。
カロリーに関する情報を先回りして補足しておくというのは、消費者視点で見ると問合せをする手間を減らせて親切ですし、メーカー視点で見ても働き方改革やテレワークが求められる昨今、業務量の削減に効果的かもしれません。
イソジンのど飴(はちみつ金柑)の原材料と添加物

イソジンのど飴(はちみつ金柑)の原材料表示

原材料名 | 砂糖、水飴、はちみつ、果汁(レモン、金柑、す だち、シークヮーサー)、ゆず抽出物、亜鉛含有 酵母、ハーブエキス/酸味料、香料、甘味料 (アセスルファムK)、ビタミンC、糖転移ヘスペ リジン、着色料(カロチノイド) |
原材料名欄の「/(スラッシュ)」の前までが原材料です。
※スラッシュ以降は添加物です。後述します。
原材料は、使用量の多い順に並べる決まりになっていますので、最も多く使われている原材料は砂糖だと分かります。
また、商品名の一部の「はちみつ金柑」の名の通り、はちみつと金柑果汁が使用されています。
「果汁(レモン、金柑、すだち、シークヮーサー)」とまとめて表示されている箇所があります。
これは、同種の原材料をまとめて表示した方が消費者に分かりやすい場合には、食品表示基準第3条第1項の表の原材料名の項の2の一の規定により、まとめて表示することが可能とされているため、だと考えられます。
イソジンのど飴(はちみつ金柑)の添加物表示
原材料名 | 砂糖、水飴、はちみつ、果汁(レモン、金柑、す だち、シークヮーサー)、ゆず抽出物、亜鉛含有 酵母、ハーブエキス/酸味料、香料、甘味料 (アセスルファムK)、ビタミンC、糖転移ヘスペ リジン、着色料(カロチノイド) |
原材料名欄のスラッシュ以降が添加物です。
原材料と同じく、使用量の多い順に並んでいます。
酸味料は、具体的な物質名ではなく、一括名と呼ばれる添加物の表示方法の一つです。クエン酸やクエン酸三ナトリウム、酒石酸などが考えられます。
香料という表示も、具体的な物質名ではなく、一括名と呼ばれる添加物の表示方法の一つです。エステル類や天然香料など、多様な物質が認められていますが、一般的に使用量はごく微量です。
甘味料として添加物を使用する場合は、用途名の併記が必要です。つまり「甘味料」と書く必要があるという意味ですね。甘味料(添加物名)という表示になります。
甘味料(アセスルファムK)という表示なので、甘味料としての用途で、アセスルファムカリウムが使用されていることが分かります。
アセスルファムカリウムは人工甘味料の一つで、使用する食品の種類により0.35g/kg~15g/kgという使用量の最大限度が定められています。
ビタミンCは、L―アスコルビン酸ナトリウムや、L-アスコルビン酸カルシウムの簡略名又は類別名として、表示が認めらている名称の一つです。
酸化防止剤として使用されることもありますが、その場合は前述の甘味料のように「酸化防止剤(ビタミンC)」などと書く必要がありますので、今回のように単にビタミンCとだけ表示されている場合は、酸化防止剤以外の用途で使用されています。
糖転移ヘスペリジンは、酵素処理ヘスペリジンの別名で、柑橘類に多く含まれるヘスペリジン(ビタミンP)とデキストリンの混合物に、シクロデキストリングルコシルトランスフェラーゼを用いてグルコースを付加して得られたものです。

原材料にアレルギー物質(27品目)に該当するものが無いことが書いてありましたので、オレンジ以外の柑橘類が基原材料だと思われます。
(オレンジはアレルゲン特定原材料に準ずるものの一つです。)
着色料として添加物を使用する場合は、用途名の併記が必要です。つまり「着色料」と書く必要があるという意味ですね。着色料(添加物名)という表示になります。
着色料(カロチノイド)という表示なので、着色料としての用途で、カロチノイドが使用されていることが分かります。
カロチノイドは動植物に広く存在する黄色または赤色の色素のことですので、数多くの物質の簡略名又は類別名として認められた表示です。
例を挙げると、マリーゴールド色素やトマト色素、ニンジンカロテン等を使用した場合に、カロチノイドという表示が可能です。
イソジンのど飴(はちみつ金柑)の産地(原産国と原料原産地)
イソジンのど飴(はちみつ金柑)の原産国表示

イソジンのど飴(はちみつ金柑)には「原産国名」の表示がありません。
この場合、製品の原産国が日本ということを意味します。
名称 | |
原材料名 | |
内容量 | |
賞味期限 | |
保存方法 | |
原産国名 | 輸入品の場合、ここに国名 |
輸入者 |
「原産国名:アメリカ」のような表示はされますが、「原産国名:日本」のような表示はされずに、原産国名の項目そのものを設けないことになります。
ですので、原産国名が無い製品については、国産品ということがまず分かるわけです。
※ただし、ものすごく小さい商品(表示可能面積が約30cm2以下)の場合は、原産国名の省略が認められているので、輸入品であっても書かれない場合があります。これは、ごく僅かな限られたスペースの中に、アレルギーや賞味期限といった安全性に関わる項目を優先的に表示させるためです。
また、製造所の欄を見ると、更に詳しいことが分かります。
販売者はムンディーファーマ(株)さんですが、製造所は別にあり、UHA味覚糖でおなじみの味覚糖(株)さんの奈良工場で作られているようです。
イソジンのど飴(はちみつ金柑)の原料の産地表示
加工食品では、最も使用量の多い原材料の産地(または製造地)を表示することになっていますが、今のところは表示義務はなく、イソジンのど飴(はちみつ金柑)にも表示はされていませんでした。(2020年6月に購入した商品で確認)
2022年4月製造分から完全義務化されますので、それまでには砂糖の原材料、例えばサトウキビや甜菜の産地の情報、または砂糖自体の製造地の情報が表示されることになると思います。

もともと僕がこの商品と出会ったのは、2019年の花粉症シーズンにドラッグストアで見かけて、「なんとなく良さそう」くらいの感覚で買ったのがきっかけなんですが、それが思いのほか美味しくて、見事ハマりました。
ただ、その時は個包装タイプじゃなくて、一袋にむき出しのキャンディがガサっと入っていたんですね。
個包装にすると初期コスト面でのリスクが大きくなるので、新規参入の場合に予算が出ないとかは有り得そうなのですが、いち消費者としては「個包装にならないかなあ」と思っていました。
そうこうしているうちに、どこの売り場でも見かけなくなってしまったので、「売れなくて販売中止になっちゃったのかな」と残念に思っていたところ、個包装タイプに進化して帰ってきてくれた時はうれしかったです。
きっと好評だったんでしょうね。
甘過ぎず、スースーし過ぎず、爽やかな甘さが普段舐めるのにちょうどいいんですよ。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
ごちそう様でした。