上級食品表示診断士のヤマケンと申します。
このページでは、「食品表示検定とは何か?」について解説します。
なお、筆者は食品メーカーの品質部門に勤めていて、実際に中級・上級と合格しています。
資格の総合情報サイトのように綺麗にまとまったページではありませんが、それとはまた違った視点(食品メーカー視点、合格者視点)での解説に興味のある方は、ぜひ読んでいってください。
目次のクリックやタップで該当の箇所までジャンプすることもできますので、興味のある項目だけでも読んでもらえたらと思います。目次は画面左(PC)、またはサイドバー(モバイル)にあります。
「食品表示」とは?
食品のパッケージに書いてある「原材料名」や「保存方法」、「栄養成分表示」など。
これらを「食品表示」と言います。
さて、この「食品表示」の内容を、誰がどのように決めているかご存じでしょうか?
筆者の場合は、食品業界に入るまでは特に意識したことがありませんでした。
ただ、子供の頃は、漠然としたイメージで「新商品が出来たら国に提出して国の人が決めてるのかな?」くらいに思っていました。
ですが、実際はそうではなく、各メーカーが、メーカーの責任で表示内容を決めています。
もちろん好き勝手に書いて良いわけではなく、主に「食品表示法」という法律で、書き方のルールが定められています。
このルールに従い、さらに原材料の配合率や栄養成分の計算をしたりして、表示内容を決めていく一連の作業のことを、一般に「食品表示の作成」と言いますが、食品表示の作成には「国家資格」や「免許」が必要とされているわけではありません。
しかしながら、例えば経理職の方が「簿記検定」を受けることが多いように、食品表示を作成する担当者の多くが、会社から受験を勧められ、あるいは自主的なスキルアップのために「食品表示検定」を受けています。
「食品表示検定」の誕生と普及
「食品表示検定」は2009年(上級は2011年)にスタートした比較的新しい検定ですが、食品業界(特に加工食品)では、既にその名が知れた検定となっています。
前述のとおり、食品表示の作成には国家資格や免許制度があるわけではなく、メーカーが法令に基づいて表示することになります。
資格や免許は不要とはいっても、食品表示には、アレルギーや消費期限、保存方法など、製品の安全に関わる重要な情報が詰まっており、その表示にはメーカーの責任が求められます。
また、特定の産地や特定の原材料が使われているものを選んだり、逆に避けたりといった、消費者が品質を判断して商品を選択するためのヒントも散りばめられています。
もし、表示違反の商品を販売してしまった場合には、商品回収を余儀なくされたり、行政による措置命令を受けたりする恐れがあり、特に危険性の高い違反や悪質な違反については刑事罰も規定されています。
それは、金銭面での損失もさることながら、企業イメージやブランドイメージの低下をまねくものです。
このように、企業や消費者にとって重要な役割を持ち、また重大なリスクもはらんでいる食品表示ですが、一方で、その知識の習得は簡単なものではなく、学習の指針がないことや習熟度を測る基準もないことから、実態として曖昧な知識のままで表示されることも少なくありませんでした。
そのような状況で登場した「⾷品表⽰検定」の需要は大きく、現在ではメーカーから小売まで、中小企業から東証一部上場企業社員まで、数多くの食品表示担当者が受験する試験となっています。
また、2015年には「食品表示法」が施行され、栄養成分表示が原則義務化されたり添加物やアレルギーの表示方法が変わったりといった、食品表示を取り巻く大きな変化がありました。(2020年4月1日製造分より完全移行)
実はこの5年の間に、CMで良く見るあのお菓子から、地域のお土産ものまで、日本のほぼ全ての食品の表示内容がリニューアルされていたんです。
メーカーが自社商品全ての表示内容をリニューアルするためには、食品表示ルールの知識、それも新しく制定された法令に基づくルールの知識を持った人材が絶対に必要な状況になりました。
それもあって、食品表示検定の受験者は増加傾向にあり、募集要項に「食品表示検定・中級以上」といった条件を掲げる求人も出てくるようになりました。
「食品表示検定」とは?
食品表示検定は、「一般社団法人食品表示検定協会」が実施する検定です。
協会の理事長を務めている池戸重信宮城大学名誉教授は、食品表示一元化検討会で座長を務めていた方です。つまり「食品表示法」や「食品表示基準」制定までの検討において中心的な役割を果たした人そのものですので、試験内容やテキストの内容は信頼に値するものだと客観的に判断できます。
食品表示検定は、「初級/中級/上級」の3つの階級に分かれており、このうち初級と中級には受験資格がなく誰でも受けることができますが、上級試験は中級合格者のみを対象とした試験となっています。
初級試験の基本情報
第24回 初級試験(2021年11月21日)の基本情報です。
試験回次 | 第24回 初級試験 |
試験日程 | 2021年11月21日(日) 11:00~ |
申込期間(予定) | 2021年8月23日(月)~ 団体申込期限:9月15日(水) 個人申込期限:9月22日(水) ※ 最終日 17:00まで |
受験資格: | 不要 |
受験料: | 5,000円(税込) |
対象 | 食品表示を理解し、商品を選択したい消費者向け 食の生産、製造、流通等の食品表示の初心者向け |
試験内容 | 改訂6版・食品表示検定 認定テキスト・初級からの基礎知識と、 それを理解したうえでの応用力を問います。 ※改訂6版初級認定テキストは2020年1月発行。 ※初級については、問題集も発行されています。 |
試験時間 | 90分間 ※開始時に10分程度のガイダンスを行い、 試験はガイダンス終了後からの90分となります。 |
出題形式 | マークシート式による選択問題(全75問) |
合格基準 | 70点以上が合格(100点満点) |
合否結果発表 (ホームページ照会) | 2021年12月8日(水)~2022年1月7日(金) ※受験番号で照会します。 合否結果発表まで受験票の保管をお願いします。 合否結果照会ページ |
※最新の情報は公式サイトをご確認ください。
「認定テキスト・初級からの基礎知識と、それを理解したうえでの応用力を問う」ことが書かれていますので、認定テキストの学習は必須と言えると思います。
初級については、「問題集」も発行されています(2018年8月発行)。
※初級に関しては、以下の詳細ページがあります。
関連ページ:食品表示検定・初級の勉強方法と試験対策について
中級試験の基本情報
第24回 中級試験(2021年11月21日)の基本情報です。
試験回次 | 第24回 中級試験 |
試験日程 | 2021年11月21日(日) 14:30~ |
申込期間(予定) | 2021年8月23日(月)~ 団体申込期限:9月15日(水) 個人申込期限:9月22日(水) ※ 最終日 17:00まで |
受験資格: | 不要 |
受験料: | 8,500円(税込) |
対象 | 生産、製造、流通等において、食品表示の専門的な 知識を得て業務に活かす必要のある人材向け |
試験内容 | 改訂7版・食品表示検定 認定テキスト・中級からの基礎知識と、 それを理解したうえでの応用力を問います。 ※改訂7版中級認定テキストは2021年1月発行。 |
試験時間 | 90分間 ※開始時に10分程度のガイダンスを行い、 試験はガイダンス終了後からの90分となります。 |
出題形式 | マークシート式による選択問題(全100問) |
合格基準 | 70点以上が合格(100点満点) |
合否結果発表 (ホームページ照会) | 2021年12月8日(水)~2022年1月7日(金) ※受験番号で照会します。 合否結果発表まで受験票の保管をお願いします。 合否結果照会ページ |
※最新の情報は公式サイトをご確認ください。
「認定テキスト・中級からの基礎知識と、それを理解したうえでの応用力を問う」ことが書かれていますので、認定テキストの学習は必須と言えると思います。
※次回2021年11月の中級試験(第23回)は、2021年1月19日発行の中級テキスト「改訂7版」に準拠した問題が出題されます。
※中級に関しては、以下の詳細ページがあります。
関連ページ:「食品表示検定・中級」の合格率とメリット・食品業界での評価について
関連ページ:【合格者が語る】食品表示検定・中級の勉強方法
上級試験の基本情報
第11回上級試験(2021年11月28日)の基本情報です。
試験回次 | 第11回 上級試験 |
試験日程 | 2021年11月28日(日) 13:30~ |
申込期間 | 2021年8月26日(木)~10月4日(月) 個人申込のみ:最終日 17:00まで |
受験資格: | 中級食品表示診断士 |
受験料: | 21,000円(税込) |
対象 | 食の生産、流通、製造等において食品表示のエキスパートとして 業務に活かし、責任を持って作成・指導を行う人材向け |
試験内容 | 食品表示全般に対する試験であり、法令、ガイドライン、Q&A等から出題します。 ※食品表示に関する法令等の知識に基づき、実際に表示をチェック・作成する能力を問います。 ※公正競争規約、条例につき、中級等のテキストでも紹介していない内容 について出題する場合は、試験時に関連文書が資料として配布されます。 |
試験時間 | 150分間(他に休憩15分、試験ガイダンス・配布・回収等約30~40分) <前半>基礎知識分野(マークシート式)(45分) <後半>専門知識分野(記述式)(105分) ※前半と後半の間に15分の休憩をはさみます。各々開始時に10分程度のガイダンスを行い、 試験はガイダンス終了後からとなります。終了時間は試験会場によって若干異なります。 |
出題形式 | 1.基礎知識分野(35点) 35問 マークシート式 2.専門知識分野 (1)専門知識を有する(15点) 1問 記述式 (2) 表示をチェックできる(20点) 1問 記述式 (3) 表示を作成できる(30点) 2問 記述式 |
合格基準 | 80点以上が合格(100点満点) |
合否結果発表 (ホームページ照会) | 2022年1月28日(金)~2022年2月27日(日) ※受験番号で照会します。 合否結果発表まで受験票の保管をお願いします。 合否結果照会ページ |
合否結果通知 発送予定 | 2022年1月28日(金) ※受験者全員の方へ合否結果通知書をご郵送します。 |
※最新の情報は公式サイトをご確認ください。
※上級に関しては、以下の詳細ページがあります。
関連ページ:「食品表示検定・上級」の難易度とメリット・食品業界での評価について
関連ページ:【合格者が語る】食品表示検定・上級の勉強方法
初級と中級については難易度の他は共通点が多いのですが、上級は「①年1回の試験、②受験資格あり、③記述式あり、④開催地が少ない、⑤合格点が80点以上」など、難易度以外にも異なる部分の多い試験となっています。
「食品表示検定」の合格率や難易度
合格率(初級)
初級 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
累計 | 53,718 | 32,243 | 60.0% |
2021年前期 | 2,678 | 1,696 | 63.3% |
2020年後期 | 3,230 | 2,248 | 69.6% |
2019年後期 | 3,083 | 1,922 | 62.3% |
2019年前期 | 2,812 | 1,825 | 64.9% |
2018年後期 | 3,118 | 1,967 | 63.1% |
2018年前期 | 2,944 | 1,923 | 65.3% |
2017年後期 | 2,903 | 1,794 | 61.8% |
2017年前期 | 2,855 | 1,858 | 65.1% |
2016年後期 | 2,775 | 1,679 | 60.5% |
2016年前期 | 2,317 | 749 | 32.3% |
2015年後期 | 2,579 | 1,818 | 70.5% |
2015年前期 | 2,095 | 1,172 | 55.9% |
2014年後期 | 2,770 | 1,742 | 62.9% |
2014年前期 | 2,782 | 1,060 | 38.1% |
2013年後期 | 1,739 | 1,037 | 59.6% |
2013年前期 | 3,095 | 1,441 | 46.6% |
2012年後期 | 1,816 | 1,019 | 56.1% |
2012年前期 | 1,863 | 1,145 | 61.5% |
2011年後期 | 1,724 | 981 | 56.9% |
2011年前期 | 1,365 | 854 | 62.6% |
2010年後期 | 1,584 | 1,118 | 70.6% |
2010年前期 | 1,591 | 1,195 | 75.1% |
食品表示検定・初級の合格率は、高い回で75.1%、低い回で32.3%、2021年前期試験までの平均では60.0%となっています。
合格率(中級)
中級 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
累計 | 71,360 | 35,716 | 50.1% |
2021年前期 | 3,308 | 1,608 | 48.6% |
2020年後期 | 4,321 | 2,318 | 53.6% |
2019年後期 | 4,618 | 2,651 | 57.4% |
2019年前期 | 3,373 | 1,531 | 45.4% |
2018年後期 | 4,745 | 2,306 | 48.6% |
2018年前期 | 3,511 | 1,703 | 48.5% |
2017年後期 | 4,617 | 2,978 | 64.5% |
2017年前期 | 3,133 | 1,616 | 51.6% |
2016年後期 | 4,341 | 1,939 | 44.7% |
2016年前期 | 3,089 | 1,297 | 42.0% |
2015年後期 | 3,633 | 1,895 | 52.2% |
2015年前期 | 2,487 | 1,023 | 41.1% |
2014年後期 | 3,067 | 1,587 | 51.7% |
2014年前期 | 2,351 | 1,265 | 53.8% |
2013年後期 | 3,310 | 1,676 | 50.6% |
2013年前期 | 2,508 | 779 | 31.1% |
2012年後期 | 2,811 | 1,218 | 43.3% |
2012年前期 | 2,012 | 1,057 | 52.5% |
2011年後期 | 2,915 | 1,836 | 63.0% |
2011年前期 | 1,968 | 708 | 36.0% |
2010年後期 | 3,216 | 1,436 | 44.7% |
2009年後期 | 2,026 | 1,289 | 63.6% |
食品表示検定・中級の合格率は、高い回で64.5%、低い回で31.1%、2021年前期試験までの平均では50.1%となっています。
合格率(上級)
上級 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
累計 | 6,000 | 898 | 15.0% |
2020年 | 508 | 92 | 18.1% |
2019年 | 666 | 80 | 12.0% |
2018年 | 704 | 85 | 12.1% |
2017年 | 612 | 119 | 19.4% |
2016年 | 578 | 78 | 13.5% |
2015年 | 578 | 81 | 14.0% |
2014年 | 549 | 90 | 16.4% |
2013年 | 515 | 74 | 14.4% |
2012年 | 536 | 56 | 10.4% |
2011年 | 754 | 143 | 19.0% |
食品表示検定・上級の合格率は、高い回で19.4%、低い回で10.4%、2020年試験までの平均では15.0%となっています。
各級の難易度について
初級と中級に関して、合格率は約6割と約5割と、回にもよりますが半数近くが落ちる可能性がある試験ですので、いずれも勉強せずに勘や運で合格するのは難しい試験です。
とはいえ、勉強さえすれば誰にでも合格するチャンスのある試験とも言え、初級と中級あわせて2021年前期試験までで約6万8千人の合格者を輩出しています。
上級に関しては、合格率は約15%ですが、中級合格者のみを対象にした試験ですので、見かけの合格率以上に難易度は高いと言えるでしょう。
上級はマークシートに加え記述式もある試験で、開催頻度も年1度のみということもあってか、合格者の数は2020年試験までの累計でも898名にとどまっています。
「食品表示診断士」について
「食品表示診断士」とは?
「食品表示診断士」は、食品表示検定を合格すると名乗ることが出来る資格です。
合格級 | 資格名称 | 英語表記 |
---|---|---|
上級 | 上級食品表示診断士 | Food Labeling Consultant |
中級 | 中級食品表示診断士 | Food Labeling Adviser |
初級 | 初級食品表示診断士 | Junior Food Labeling Adviser |
これらの資格は「名刺に記載」することも可能で、使用規則に基づいてロゴマークを記載することもできます。
食品メーカーに身を置く筆者の場合、初級や上級はほとんど見かけることはありませんが、「中級食品表示診断士」と名刺に記載した方は商談等にて良く見かけます。
また、合格級に応じた「合格者バッジ」を購入することも可能です。バッジについては筆者は一度も見かけたことはありませんが、食品表示に関連したセミナー講師や研修講師の仕事をする方の場合は箔がつくかもしれません。
「食品表示管理士」とは?その違いは?
「食品表示管理士」は、オール日本スーパーマーケット協会と一般社団法人日本スーパーマーケット協会との共催事業である「S検」のひとつである、「食品表示管理士検定」に合格すると取得できる資格の名称で、「食品表示検定」とは別物です。
「S検」はスーパーマーケット業界全体のレベルアップを図ることを目的とした資格認定制度です。
したがって「S検」のひとつである「食品表示管理士検定」が想定する受験者の対象も、次のように示されています。
「小売業、食品製造業の販売担当者、店長、バイヤー、食品品質管理・表示・調理・加工・製造業務の責任者および担当者」
雇用形態(社員・パートタイマー・アルバイト)は問われませんが、企業を通じて申し込む必要があり、「食品表示管理士検定」は個人での申し込みはできません。
これは、(主に初級の)対象として消費者までを想定している「食品表示検定」と異なる点です。
なお、「食品表示検定」が初級を飛ばして中級から受験できるのに対して、「食品表示管理士検定」は初級を合格していないと中級が受験できず、順々にステップアップしていく必要があります。
※中級合格が上級の受験資格である点は同じです。
また、「食品表示検定(食品表示診断士)」が一度合格すればずっと有効な資格なのに対して、「食品表示管理士」は資格の維持に更新制度をとっています。
これは知識が錆びつきづらいという意味ではメリットですが、デメリットに感じる方もいることと思います。
受験料の比較
受験料 | 食品表示検定 | 食品管理士検定 |
---|---|---|
初級 | 5,000円(税込) | 会員:7,593円+税 非会員:15,185円+税 |
中級 | 8,500円(税込) | 会員:9,537円+税 非会員:19,074円+税 |
上級 | 21,000円(税込) | 会員:11,389円+税 非会員:22,778円+税 |
受験者数や合格率の比較
合格率 | 食品表示検定 | 食品管理士検定 |
---|---|---|
初級 | 受験者:47,810 合格者:28,299 合格率:59.2% | 受験者:15,272 合格者:9,360 合格率:61.3% |
中級 | 受験者:63,731 合格者:31,790 合格率:49.9% | 受験者:2,860 合格者:1,570 合格率:54.9% |
上級 | 受験者:5492 合格者:806 合格率:14.7% | 受験者:748 合格者:602 合格率:80.5% |
どちらを受けるべき?
まず、「食品表示管理士検定」は企業を通じて申し込む必要がありますので、個人事業主の方や学生の方は必然的に「食品表示検定」となるでしょう。
小売業の方、特に(一社)日本スーパーマーケット協会の「会員企業」に在籍されている方は会社と相談して決めたら良いと思われます。
それ以外の企業に在籍している方に関しては、迷ったら「食品表示検定」で問題ないと思います。受験者の数を見ても、筆者の実感としても、知名度が高いのは「食品表示検定」のほうです。
「食品表示検定」のメリットや評価・知名度
実生活でのメリット
これは「食品表示検定」というよりは「食品表示」を学ぶメリットですが、そもそも「食品」自体が生活に直結しているものですので、実生活でのメリットも多いです。
スーパーやコンビニで市販品の商品パッケージを見ただけで、様々なことが分かるようになります。
初級、中級、上級と習得を重ねるにつれ、当然ながら分かることの範囲は増えていきますが、例えば次のようなメリットがあります。
- 怪しげな健康食品やサプリと、まともな商品との違いが分かり、騙されることはまず無くなります。(法的に禁止されている表示や、表示するための条件がある内容が分かるため、それを守っていない商品の見分けはつきます)
- カロリーや栄養成分の多い少ないが、パッと見で何となく分かります。
- 原材料と添加物の違いが分かります。
- 産地情報が分かります。(ひとくちに産地と言っても、原料の産地なのか、製品の製造地なのかで意味は異なりますが、その違いも判断できるようになります)
- 製造工場の調べ方が分かります。(あのコンビニの商品、パッケージは違うけど、あのメーカーのアレと出元は同じだなみたいなことが大体分かります)
特に大きいのは、一番上に記載した、怪しげな健康食品を見抜けることではないでしょうか。
産地偽装して実際よりも優れているように見せたり、実態よりもお得に見せたり、医薬品でもないのに病気の予防や改善といった効果効能を表示したり、といったことが代表的な表示違反です。
食品はアイテム数が膨大で表示違反の摘発が追い付いていない状態で、表示違反はスピード違反に似ていると言われることがあります。
例えるなら、他車が法定速度を守って走行しているところ、80km/hや100km/hを出して他車よりも速いかのように見せかけているだけで、実際のスペックが他の車よりも優れている訳ではないのと同じです。
食品業界でのメリットや評価・知名度
初級は、基本的には「消費者の方向け」の試験です。
あるいは、食品業界でも食品表示には直接は携わらない職種の方が一般教養として受ける場合の位置づけ、または学習の取っ掛かりとしての位置づけだと思います。
食品表示に直接関わる業務(表示作成や規格書作成など)の担当者の場合、評価されるのは基本的には中級以上であり、前述のとおり「中級食品表示診断士」と名刺に記載した方はお見掛けしますが、「初級食品表示診断士」と記載された名刺を見たことはありません。
求人情報を見ても、パートタイム採用の場合は初級が歓迎要件となっているようなものも一部で見かけますが、正社員ともなると中級以上が必須要件となっているものが多い印象です。
上級については、合格者のみが参加できる「食品表示活用研究会」など、また別のメリットがあります。
中級と上級については、詳細ページにて業界評価やメリット等について解説していますので、興味があればご覧ください。
関連ページ:「食品表示検定・中級」の合格率とメリット・食品業界での評価について
関連ページ:「食品表示検定・上級」の難易度とメリット・食品業界での評価について
「食品表示検定」の勉強方法
「食品表示検定」の勉強方法は、大きく分けて二つあり、セミナー(公開講座・オンデマンド講座)を受講するか、独学で勉強するかです。
講座・教材 | 初級 | 中級 | 上級 |
---|---|---|---|
公開講座 | 有り(※) | 有り(※) | 有り(※) |
オンデマンド講座 | 有り | 有り | 有り |
認定テキスト | 有り | 有り | 無し |
問題集 | 有り | 無し | 無し |
※上級の公開講座は模擬問題演習です。
セミナーについて
公開講座では、直近の検定試験問題(つまり過去問)が配布されます。
オンデマンド講座は、公開講座の録画です。
セミナーに関しての詳細は、公式サイトの「検定対策セミナー – 食品表示検定」にてご確認ください。
テキストについて
セミナーを受講するか独学で勉強するかに関わらず、級に応じた最新の「認定テキスト」は必須だと考えられます。
上級は専用テキストがありませんが、実質、最新の中級テキストが必須です。
「中級のテキスト」は単に試験対策のためだけの本という訳ではなく、現状、食品表示に関する実用レベルの知識を効率よく体系的に習得するための「ベストな選択肢」だと思いますので、食品表示を学びたい方すべてにオススメできます。(検定を受けないとしても)
筆者は、上級合格後も、中級テキストの版が改訂される度に買い替えています。
問題集について
初級については、待望の「問題集」が発行されました(2018年8月)。
中級用の問題集は2021年7月現在、発行されていません。初級より受験者数が多く、かつ能動的に受験する人の割合も高いでしょうから、需要はあるとは思うのですが。
「独学で勉強する場合」に関し、中級と上級には以下の詳細ページがあります。
「出題傾向の分析」や「勉強方法」を書いてありますので、興味があればご覧ください。
関連ページ:【合格者が語る】食品表示検定・中級の勉強方法
関連ページ:【合格者が語る】食品表示検定・上級の勉強方法
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。