食品表示基準Q&A|別添 アレルゲンを含む食品に関する表示

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はじめにお読みください

このページは、消費者庁の「食品表示基準Q&A」の一部「別添 アレルゲンを含む食品に関する表示」をクイズ形式で確認できるようにしたページです。

質問文をクリックまたはタップすると、答えが開閉します。

※主に食品表示検定の上級受験者を対象としています。初級・中級を受験される方はテキストを中心に学習されることをおすすめします。
⇒関連ページ:【食品表示検定・初級】勉強方法と過去問の出題傾向等について
⇒関連ページ:【合格者が語る】食品表示検定・中級の勉強方法

※質問文の一覧から直接答えを確認できる形式ですので、原文のPDFの目次と本文を行き来するよりは学習がはかどるかと思います。ただし、「Q&A」を読み込む前に、まずは「食品表示法」→「食品表示基準」→「食品表示基準について」→「Q&A」と、根っこの部分から理解していくことをおすすめします。
⇒関連ページ:【合格者が語る】食品表示検定・上級の勉強方法

※上記のとおり検定の学習用を想定したページですので、実際に表示を作成する段階においては上記リンク(消費者庁)より法令やQ&Aの原文をご確認ください。目視とツールでチェックはしておりますが、最新性・正確性・完全性・網羅性等を保証するものではありません。また、改行位置やスペースの有無・レイアウトなどについては、原文と一致しません。



※当サイトに「ガイドライン」は掲載していません。
※食品表示基準Q&A原文はこちら(外部リンク:消費者庁)
※最終更新:第12次改正(令和3年3月17日消食表第115号)

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A.表示義務化の必要性

(答)
 食物の摂取により生体に障害を引き起こす反応のうち、食物抗原に対する免疫学的反応によるものを食物アレルギー(Food Allergy)と呼んでいます。この免疫学的な防御反応とは、私たちの体の中で異物(抗原)が入ってくるとこれに対して防衛しようとする働きにより、抗体が作られるというものです。その後の抗原の侵入に対して、この抗体がよい方に働けば、免疫反応により病気の発症を抑えることができます。ところが、アレルギー体質を持っている人の場合、その後の抗原の侵入に対して過敏な反応をし、血圧低下、呼吸困難又は意識障害等、様々なアレルギー症状が引き起こされます。このアレルギーの原因となる抗原を特に「アレルゲン」といいます。

 食物が原因となって生体に障害を引き起こす反応には、食物アレルギーのほかに毒素による中毒、消化酵素欠損による不耐症などがあり、これらとの鑑別が必要です。

(答)
 アレルゲンを含む食品に関する表示(以下「アレルギー表示」という。)については、これまで、食物アレルギーの実態調査及び誘発物質の解明に関する研究を厚生労働省所管時から進めています。これまでの実態調査等を基に、過去に一定の頻度で血圧低下、呼吸困難又は意識障害等の重篤な健康危害が見られた症例から、その際に食した食品の中で明らかに特定された原材料について、アレルギー物質を含む「特定原材料等」として指定しています。現在、特定原材料等は28品目あり、えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)、アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンが挙げられています。

 食物アレルギー患者にとっては、自分の食するものの中に、自分が反応するアレルゲンを含むのかどうかを判断し、選別できるように情報提供が行われていることが重要です。そのため、食品中に特定原材料等を含む旨の情報提供をアレルギー表示によって行うに当たっては、実際のアレルギー発症数、重篤度等に差異があるため、「食品表示基準」(平成27年内閣府令第10号)で法令上表示を義務付けるものと、通知で表示を推奨するものとに分けているところです。

 食品表示基準で定められる品目に、えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)の7品目(以下「特定原材料」という)が挙げられ、通知で表示を推奨する品目に、アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンの21品目(以下「特定原材料に準ずるもの」という。)が挙げられています。

 なお、食物アレルギーの原因物質は、時代の変化とともに変わっていく可能性があると考えられるので、更に実態調査・科学的研究を行い、新たな知見や報告により適宜、特定原材料等の見直しを行っていきます。

(答)
 アレルゲンを含む食品に起因する健康危害が多く見られ、こうした危害を未然に防ぐため、表示を通じた消費者への情報提供の必要性が高まっていましたが、平成12年度以前の食品に関する表示制度では、その原材料について表示義務が課されない場合などがあり、消費者が食品中のアレルゲンの有無を知るには不十分でした。

 そのため、平成11年3月5日の食品衛生調査会表示特別部会における「食品の表示のあり方に関する検討報告書(平成10年度)」により、食品中のアレルゲンについての表示を義務付ける必要があるとされました。

 その後、食品衛生調査会表示特別部会は、平成12年7月13日に「遺伝子組換え食品及びアレルギー物質を含む食品に関する表示について」の報告書を公表しています。報告書では、表示の方法を過去の健康危害などの程度、頻度を考慮して重篤なアレルギー症状を惹起する実績のあった食品について、その原材料を表示させる「特定原材料等の名称による表示」方式とし、実状調査を基に24品目の特定原材料等を示しています。

 また、平成11年6月には、FAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)総会において、アレルゲンとして知られる8種の原材料を含む食品にあっては、それを含む旨を表示することで合意され、加盟国で各国の制度に適した表示方法が検討されました。

 このような国際的な動向も踏まえて、消費者の健康危害の発生を防止する観点から、食品衛生法(昭和22年法律第233号)においても、アレルゲンを含む食品にあっては、それを含む旨の表示を義務付けることが必要であると考えられ、平成13年に、食品衛生法施行規則等の改正が行われ、アレルギー表示が義務付けられました。

 食物アレルギーは、特定のアレルゲンを摂取することでアレルギー症状が起こり、場合によっては、アナフィラキシーショックにより命に関わることもある疾患であること踏まえ、食物アレルギーに関する正しい知識・理解に基づき取り組むことが重要です。

(答)
 食品表示法(平成25年法律第70号)第4条第1項においては、「食品を消費者が安全に摂取し、及び自主的かつ合理的に選択するために必要と認められる事項を内容とする販売の用に供する食品に関する表示の基準を定めなければならない。」と規定されています。食品に関する適正な表示は、消費者や関係事業者に対し、的確な情報を与え、合理的な認識や選択に資するものであり、さらには、行政機関による迅速かつ効果的な取締りのためにも不可欠のものです。食品の表示については、次のように整理できます。

○消費者への情報伝達機能

  • 消費者が、食品を摂取する際の安全性を確保するための表示(例:消費期限、保存方法等)
  • 消費者が、自主的かつ合理的に食品を選択するための表示(例:原材料、内容量等)

○流通事業者等への情報伝達機能

  • 販売する際に留意すべき情報(例:消費期限、保存方法)
  • 製造者等が付けた表示により、販売者が容易に消費者に情報提供できるようにする機能

○規格基準遵守促進機能

  • 表示させることによる事業者に対する心理的効果(例:使用した添加物を全て表示させることにより、規格基準外の添加物を使用することに心理的な障壁となる。)
  • 行政当局等が規格基準遵守の確認の際に利用する情報(例:表示されている添加物について、その使用量を試験して、規格基準への適合を確認する。)

(答)
 不正表示を規制するものとして、不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)等があります。景品表示法は、虚偽・誇大などの不当表示を規制しますが、アレルギー表示に関しては、微量表示を行わなければならない関係上、消費者が誤認するような表示にならないように注意が必要です。(H-3参照)

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B.表示の対象

(答)
 アレルギー表示の対象範囲は、食品表示基準別表第14に定める食品(特定原材料)を原材料とする加工食品又は特定原材料に由来する添加物であって販売の用に供するものであり、具体的には容器包装された加工食品及び添加物です。なお、例外的に、運搬容器への表示(C-1参照)や、食品中に含まれる特定原材料等の総タンパク量が、数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合(C-3参照)、知見が不足している香料など(C-8~11参照)は表示が免除されています。

(答)
 アレルゲンを含む食品に起因する健康危害を未然に防止するため、表示による情報提供の要望が高まってきたことなどから、当時、厚生省においてアナフィラキシー等、重篤な健康影響を起こしたアレルゲンが何かを明らかにするための調査研究が行われました。平成8年度及び平成9年度は即時型反応を惹起する食物アレルギーの頻度調査を全国規模で年齢別に行い、また、平成10年度及び平成11年度は食物アレルギーの診断を直接行う医師が関与した即時型アレルギーを引き起こした患者について、全国の医療機関を通じて実態調査が行われました。

 全ての食品はアレルギーを引き起こす可能性がありますが、これらの調査に基づきその中で特に症状が重篤となるためアレルギー表示を行い、情報提供の必要があるものについて検討することとなりました。そこで、研究成果を基に、過去に一定の頻度で血圧低下、呼吸困難又は意識障害等の重篤な健康危害が見られた症例から、その際に食した食品の中で、アレルギーを引き起こすことが明らかにされた原材料24品目を特定原材料等として指定されました。

 その後、平成13年度~平成14年度、平成16年度~平成17年度、平成19年度~平成20年度、平成23年度~平成24年度及び平成28年度~平成29年度の実態調査の結果を踏まえ、品目の見直しを行い、現在、28品目を特定原材料等として指定しているところです。

これまでに行われた特定原材料等の見直し
平成16年度:特定原材料に準ずるものに「バナナ」を追加
平成20年度:特定原材料に「えび」、「かに」を追加
平成25年度:特定原材料に準ずるものに「カシューナッツ」、「ごま」を追加
令和元年度:特定原材料に準ずるものに「アーモンド」を追加

(答)
 食物アレルギーの原因物質は、時代の変化とともに変わっていく可能性があると考えられるので、定期的に実態調査などを行い、新たな知見や報告により適宜、見直しを行っていきます。

(答)
 特定原材料等28品目中でも実際のアレルギー発症数、重篤度等に差異があるため、法令で表示を義務付けるものと、通知で表示を推奨するものとに規定を分けることが現実的であると考え、以下のように分類することとしています。

 28品目の中でも特に重篤度・症例数の多い7品目(えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ))の表示については食品表示基準で規定し、法令で表示を義務付けています。

 28品目の中で、アレルギー疾患を引き起こすアレルゲンを含むことが知られていますが、症例数や重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられますが、特定原材料に比べると少なく、現段階では科学的知見が必ずしも十分ではない21品目に関しては、特定原材料に準ずるものとして通知により表示を行うことを推奨することとしています。

 「ゼラチン」に関しては、牛肉・豚肉由来であることが多く、これらは特定原材料に準ずるものであるため、元々表示をすべきものですが、ゼラチンそのものによりアレルギー疾患が起こることと、過去のパブリックコメントにおいて単独表示(「ゼラチン」としての表示。)の要望も多かったことから、1品目として項目を立てることとしました。(D-18、E-14参照)

(答)
 鶏肉製品については、鶏を処理する過程での混入により、原材料として使用していないにもかかわらず、卵のたんぱく質が検出される事例があることが報告されています。

 混入する可能性が完全に否定できない場合であっても、最終製品で卵が原材料の一部を構成していないと判断される場合には、表示の義務はありません。

(答)
 一般に加工食品は、加熱・濃縮・ろ過・蒸留等、様々な製造・精製過程を経て最終製品となりますので、その過程においてアレルゲンが変性することにより、抗原性が減少、又は消滅する可能性が考えられます。

 しかし、現在、全てのアレルゲンを特定できているわけではなく、その物質のどの部分に抗原性があるかの知見も少ないことから、どの製造・精製過程を経ればアレルギーを引き起こす危険性が無くなるのかは分かっていません。また、様々な製造過程を経て完成した食品自体に抗原性がないとはいえない場合もあります。

 したがって、特定原材料等を加工する際の製造過程によって、表示の必要があるか否かの判断は難しく、加工食品に抗原性が認められないか、食物アレルギーに関する科学的な研究により抗原性の低い物質等に当たらない限りは、原則表示する必要があります。今後、個々の食品について更に調査を行い、抗原性の有無を科学的に検討していく必要があります。このことにより、過去の症例からみて、アレルギーを起こすことが知られている加工食品(乳清、大豆油等)については、表示により判別できるようにするべきです。

(答)
 アレルギー表示は業務用や加工食品の原料であっても表示の義務付けがされていますので、表示してください。

(答)
 従来どおり外袋に表示していただくのが原則です。また、中身の個々の袋にも表示ができるのであれば表示していただいた方がより望ましいと考えています。

(答)
 酵素のみを採取しているのであれば表示の必要はありませんが、培地ごと混入する場合はアレルギー表示の対象になります。

(答)
 加工助剤※1 及びキャリーオーバー※2 等、添加物を含む旨の表示が免除されているものであっても、特定原材料等に由来する添加物に係る表示では次のとおり表示することとされています。

① 特定原材料7品目に由来する添加物の場合、添加物の表示が免除されているものであっても、特定原材料については、表示する必要があります。
② 特定原材料に準ずるもの21品目に由来する添加物の場合、添加物の表示が免除されているものであっても、特定原材料に準ずるものについては、可能な限り表示するようにしてください。

 なお、過剰な表示は、かえって消費者の選択の余地を狭めることとなりますので、微量な特定原材料等を含む場合の表示方法は、(C-3)により行ってください。

加工助剤とキャリーオーバー

(答)
 添加物の安定化のため、特定原材料等から製造される食品を使用する場合(例:添加物である抽出トコフェロールの安定化等のため大豆油で希釈する場合)は特定原材料等を使用していることが分かるように「トコフェロール、(一部に大豆を含む。)」等、表示をする必要があります。

 香料に併せて使用される副剤の表示も上記と同様です。

(答)
 遺伝子組換え食品の表示は全原材料中重量が上位3品目以内で、かつ、食品中に占める重量が5%以上の物に限られているので、それ以下であればアレルギー表示のみとなりますが、それ以上であれば遺伝子組換えの表示も必要になります。

C.表示対象外・免除

(答)
 仕入れ時に容器包装に特定原材料等Aを含む旨の表示がされた原材料Bを使って加工食品Cを製造する場合は、加工食品Cにも特定原材料等Aを含む旨についてアレルギー表示を行います。

 ただし、上記の場合、商品の輸送、運搬のために、原材料Bの製造者が卸、小売業者を通じてそのまま加工食品Cの製造・販売業者に商品ごと販売するものには表示が必要ですが、その外装容器を卸、小売業者がその都度持ち帰りする場合(通い箱等)は容器包装の定義に当てはまらないためアレルギー表示の対象外となっています。同様に、食品を製造し、又は加工した場所で容器包装に入れないで消費者に直接販売する場合は表示をする必要はありません。したがって、店頭量り売りの加工食品については、持ち帰りの便宜のために、販売の都度、箱に入れたり包んだりする場合及び混雑時を見込んで当日販売数に限って包装してある場合は、単なる運搬容器とみなされ、表示の対象外とみなしています。また、小売業者及び販売業者が購入者の要望によって便宜上、仮箱若しくは箱に詰めたもの又は包んだものも同様に表示の対象外とみなしています。

 しかしながら、表示がされていない原材料を使用する場合も同様に、消費者への情報提供を行えるよう、原材料を仕入れる際は、(卸売)納入業者に特定原材料等の含有の有無を問い合わせ、又は、送り状若しくは納品書に併せて原材料に関する詳細を入手するなどして確認し、製造記録として残しておくことは、最終製品に正確な表示をするためにも有用です。このように、様々な方法で情報収集を行い、アレルギー表示が正確に行われ、消費者への情報提供を十分に行えるよう努めてください。

(答)
 食物アレルギーは、人によっては舐める程度でアナフィラキシー症状が誘発されるなど、ごく微量のアレルゲンによって発症することがあります。よって特定原材料を常に含む食品にあっては、原材料としての使用の意図の有無にかかわらず、アレルギー表示をする必要があります。

(答)
 健康危害防止の観点から、食物アレルギーを誘発する量を考える際には、特定原材料等の抗原(特定タンパク)量ではなく、加工食品中の特定原材料等の総タンパク量に重きを置いて考えることとしています。

 アレルギー症状を誘発する抗原量に関しては、総タンパク量として一般的にはmg/ml濃度(食物負荷試験における溶液ml中の重量)レベルでは確実に誘発し得るといえますが、数μg/ml濃度レベルでは、アレルギーの誘発には個人差があり、ng/ml濃度レベルではほぼ誘発しないと考えられています。

 このことより、数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベル以上の特定原材料等の総タンパク量を含有する食品については表示が必要と考えられる一方、食品中に含まれる特定原材料等の総タンパク量が、数μg/ml濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合は、表示の必要性はないこととしています。

 さらに、微量原材料の表示の必要性の判断に関しては、製造段階のある点を基準に判断することは、技術的にも難しく、また、ある点を基準にすれば、最終製品中の特定原材料等の残存量にばらつきが出ることから、最終製品の中に残存する特定原材料等の量によって判断することが妥当と考えます。

 今後、食物中に残存するアレルゲンに係る検知法の開発では、加工食品中の特定原材料等のタンパク量を数μg/ml濃度レベル以下又は数μg/g含有レベル以下まで検出可能となれば、表示の必要性の有無を確認するに十分な検知法となると考えています。

mg(ミリグラム)=10-3g,
μg(マイクログラム)=10-6g,
ng(ナノグラム)=10-9

(答)
 食品表示研究班アレルギー表示検討会(厚生労働省)の中間報告においては、食物アレルギーを起こし得るアレルゲンの含有量は、数μg/gレベルまでであり、ng/gレベルでは、一般的には、アレルギー反応を誘発することは少ないであろうと考えられていることで意見が一致しています。

 消費者庁としては、アレルギーの誘発量に関して、現時点ではデータの蓄積が少ないため、今後も研究を行っていく予定です。

(答)
 特定原材料等由来の添加物であっても、抗原性試験等により抗原性が認められないと判断できる場合には、表示義務が免除されます。

 ここでいう抗原性試験とは、現在、添加物の審査に用いられている「添加物の指定及び使用基準改正に関する指針」(平成8年3月22日衛化第29号)に基づくものです。抗原性の有無が不明である場合は表示が必要です。

(答)
 焼成した卵殻カルシウムや大豆から抽出したトコフェロール等、純粋な特定成分のみを抽出し、他の物質の混在が認められない物については、科学的な研究により抗原性が低い旨の報告がなされていることから、特定原材料等に関する表示は免除となりますが、それ以外は表示を行う必要があります。

 アレルゲンであるか否か、抗原性が高いか低いか等については、未検討である部分も多く、例えば、醤油の小麦について「食物アレルギーの栄養食事指導の手引2017」において、「醤油の原材料に利用される小麦は、醸造過程で小麦アレルゲンが消失する。したがって、原材料に小麦の表示があっても、基本的に醤油を除去する必要はない。」としているなど、一定の知見はあります。しかしながら、この件に関して国として調査研究を行ったものはないため、このような食品について、今後調査研究を行い、科学的知見の得られたものについては食物アレルギー患者の選択の判断に資する見直しを行うこととします。

(答)
 L-ロイシンは、アミノ酸単体でのアレルギー発症の報告がないことから、最終製品が特定成分100%なのであればこれに該当します。

(答)
 香料に関しては、実際にアレルギー疾患を引き起こしたという知見が乏しいため、現時点では特定原材料等に関する表示を必須とはしていません。しかしながら、アレルギー症状はごく微量でも引き起こされる場合があることを考慮すると、今後さらに調査・検討が必要です。

 また、香気成分以外に特定原材料等28品目を原材料として製造された副剤を使用している際には、表示する必要があります。なお、香料の副剤に特定原材料等を使用している場合も、表示する必要があります。

(答)
 酒類については、アルコールを摂取することにより、顔が赤くなったり、動悸がしたりという摂取時の反応があるため、その反応が特定原材料等の抗原性によるものかアルコールの作用によるものかを判断することは極めて困難です。

 したがって、アレルギー疾患を引き起こすとの知見が得られにくいため、飲料用のアルコールや牛乳の乳清から製造される工業用アルコール(主に食品の製造時に用いられるアルコール)についても、現時点では表示義務の対象となっていません。

 しかしながら、今後さらに報告・症例の調査に基づき検討していく必要があります。

(答)
 発酵製品において使用されるスターターの培地のうち、特定原材料等を成分として用いていて、最終的に食品に残存する場合については原材料とみなされます。しかし、残存が認められず、原材料としても取り扱われない場合は表示の必要はありません。

(答)
 飲料用のアルコールや牛乳の乳清から製造される工業用アルコールについて、現時点ではアレルギー表示の義務対象となっていないので、飲料用のアルコールや牛乳の乳清から製造される工業用アルコールを食品に利用してもアレルギー表示の必要はありません。

D.特定原材料等の範囲について

特定原材料等の範囲は、「食品表示基準について」(平成27年3月30日消食表第139号消費者庁次長通知)別添アレルゲンを含む食品に関する表示別表1のように日本標準商品分類の番号で指定されている範囲のものを指します。

(答)
 「えび」とは、日本標準商品分類における分類番号7133のえび類(いせえび・ざりがに類を除く。)及び7134いせえび・うちわえび・ざりがに類であり、具体的には、くるまえび類(くるまえび、たいしょうえび等)、しばえび類、さくらえび類、てながえび類、小えび類(ほっかいえび、てっぽうえび、ほっこくあかえび等)、その他のえび類並びにいせえび類、うちわえび類、ざりがに類(ロブスター等)を表示の対象としています。

 また、しゃこ類、あみ類、おきあみ類等は、その他の甲殻類に分類されるため、表示の対象外となっています。

(答)
 「かに」とは、日本標準商品分類におけるかに類であり、具体的には、いばらがに類(たらばがに、はなさきがに、あぶらがに)、くもがに類(ずわいがに、たかあしがに)、わたりがに類(がざみ、いしがに、ひらつめがに等)、くりがに類(けがに、くりがに)、その他のかに類を表示の対象としています。

(答)
 「小麦」はグルテンの含有量の違いにより、普通小麦、準強力小麦、強力小麦、デュラム小麦等に分けられますが、全ての小麦が表示の対象範囲となります。また、小麦で代表的なのは小麦粉ですが、小麦粉についても同様に、強力小麦粉、準強力小麦粉、薄力小麦粉、デュラムセモリナ、特殊小麦粉等が対象範囲となります。

 小麦は様々な食品に原材料の一部として使用されることが多く、さらに最終製品となる食品を見ただけでは使用されていることが判別できないことがほとんどです。小麦によるアレルギーの症状は重く、また、食生活の欧米化に伴い患者数増加の傾向があり、即時型のアレルゲンの中で主要なものの一つとなっていますので、表示漏れのないよう注意が必要です。

 なお、大麦、ライ麦等は対象外ですので、表示の必要はありません。

(答)
 「そば」は従来から日本において重篤なアレルギー疾患の原因物質として有名です。そばアレルギー患者の中には、ごく微量のそばが混入していても重篤な症状がでる方がいます。

 特定原材料とされている「そば」は、麺のそばのみではなく、そば粉も含めるため、そば粉を用いて製造される、そばボーロ、そば饅頭、そばもち等も表示の対象となります。

 「そば」は、調味料に含まれる場合もありますので、原材料となる加工品についても細かく確認して、正確な表示をする必要があります。

(答)
 「卵」については、鶏卵のみを示すのか、その他の鳥類の卵も含めるのかの判断が難しいですが、交差反応が認められている(鶏卵でアレルギーを起こす人は他の鳥類の卵でもアレルギー症状を起こす場合がある)ことにより、鶏卵のみでなく、あひるやうずらの卵等、一般的に使用される食用鳥卵についても対象となります。しかし、他の生物の卵(魚卵、は虫類卵、昆虫卵等)は範囲に含まれません。

 また、全卵のみではなく、卵黄と卵白に分離していたとしても、卵を含む旨の表示が必要です。さらに、生卵を使用している場合は勿論のこと、液卵、粉末卵、凍結卵等を用いた場合も「卵」を含む旨の表示漏れがないよう注意してください。なお、「卵白」、「卵黄」を除き、「卵」の文字が含まれている原材料名が表示されている場合は、代替表記の拡大表記となるため、卵を含む旨の表示を省略することは可能です。

(答)
 特定原材料のうち、「乳」に関しては牛の乳より調整、製造された食品全てに関して表示が必要となります。牛以外の乳(山羊乳、めん羊乳、水牛乳等)は表示の対象外とします。

 「乳」に関しては、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(昭和26年厚生省令第52号。以下「乳等省令」という。)に定義されています。乳等省令では、乳は、牛以外のものを除くと、「生乳、牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳」と、乳製品は「クリーム、バター、バターオイル、チーズ、濃縮ホエイ、アイスクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖練乳、無糖脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、調製液状乳、発酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料」とされています。

 これらは個々に定義されていて、定義に当てはまらないものは個々の品名で表示できないこととなっています。よって、乳を主原料としていても、これらの定義に当てはまらない食品については、「乳又は乳製品を主原料とする食品」と分類されています。

 これら、乳、乳製品、乳又は乳製品を主原料とする食品、その他乳等を(微量であっても)原料として用いられている食品を対象としています。

(答)
 「落花生」は、いわゆるピーナッツ、なんきんまめとも呼ばれるものです。多くの料理や菓子類に使用されますが、ピーナッツオイル、ピーナッツバター等もアレルゲンとなるので注意が必要です。

 一般に脂肪が多い小粒種は採油用に、たんぱく質が多い大粒種は食用にされることが多いようですが、両方とも表示の対象となります。

(答)
 「アーモンド」は、スイート種とビター種がありますが、主に食用にされるスイート種だけでなく、ビター種も対象となります。また、アーモンドオイル、アーモンドミルク等もアレルゲンとなるので注意が必要です。

(答)
 あわび類には主に「あわび」と「とこぶし」がありますが、「あわび」のみを対象としています。「とこぶし」は、外見があわびによく似ていますが、呼吸のための穴が7、8個あるので、4、5個のあわびと区別されます。

 「とこぶし」については、交差反応性が確認されていないため、現在は対象外となっていますが、今後さらなる研究により、抗原性の交差反応の範囲等を調べていく必要があります。なお、ここでいう「あわび」とは、日本標準商品分類における「あわび」をいい、国産品、輸入品にかかわらず「あわび」として流通しているもの全てを含みます。

(答)
 全てのいか類が対象となります。具体的には、ほたるいか類、するめいか類、やりいか類、こういか類、その他のいか類(みみいか、ひめいか、つめいか等)を対象としています。

(答)
 「いくら」とは、さけ、ます類の卵巣の卵巣膜を取り除き分離した卵粒を塩蔵したものをいいます。「すじこ」は卵巣膜のまま塩蔵したものをいいます。よって、特定原材料に準ずるものの範囲としては、「いくら」と「すじこ」は同じものと考え、表示の対象となります。

(答)
 日本標準商品分類によると、オレンジ類はかんきつ類中の1つのグループとなります。アレルギー表示における「オレンジ」の範囲はネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ等、いわゆるオレンジ類をいいます。よって、うんしゅうみかん、夏みかん、はっさく、グレープフルーツ、レモン等は対象となりません。

(答)
 肉類については、肉そのものはもちろん表示の必要がありますが、日本標準商品分類において肉とは別に分類されている内臓については、特に耳、鼻、皮等、真皮層を含む場合は表示が必要です。また、動物脂(ラード、ヘッド)も表示が必要です。しかしながら、上記以外の内臓(ケーシング材を含む。)、皮(真皮を含まないものに限る。)、骨(肉がついていないものに限る。)については表示の必要はありません。

(答)
 「ごま」とは、ゴマ科ゴマ属に属するものであり、種皮の色の違いにより「白ごま」、「黒ごま」、「金ごま」に分けられますが、これらは表示の対象です。また、ごま油、練りごま、すりゴマ、切り胡麻、ゴマペースト等の加工品も対象です。

 なお、トウダイグサ科トウゴマ属に属する「トウゴマ(唐胡麻)」やシソ科シソ属に属する「エゴマ(荏胡麻)」などは含みません。

(答)
 「さけ」とは、サケ科のサケ属、サルモ属に属するもので、陸封性を除きます。具体的にはさく河性のさけ・ます類で、しろざけ、べにざけ、ぎんざけ、ますのすけ、さくらます、からふとます等です。

 「さけ」とは、サケ科に属するしろざけ、べにざけ、ぎんざけ、ますのすけ等の総称です。陸封性のにじます、ひめます等は一般にマスといわれますが、学問上ではマス類という分類はなく、明確な区分も無いので全てサケ類とされます。

 いわゆる一般に「さけ」として販売されているものを対象とするため、にじますやいわな、やまめ等、陸封性のものは表示の対象外としています。

(答)
 アレルギー表示における「大豆」の範囲は、えだまめや大豆もやし等未成熟のものや、発芽しているものも含みます。

 「大豆」には色々な品種があり、色や大きさ、形などによって分類されています。色については、みそ、しょうゆ、納豆、豆腐には黄色系統が用いられ、きな粉や菓子用に緑色系統(青豆、菓子大豆と呼ばれる)、料理用に黒色系統(黒豆)が用いられています。

 アレルギーの表示としてはこれら全てが対象となります。

(答)
 「やまいも」は日本標準商品分類でいう「やまのいも」をいいます。「やまのいも」とはジネンジョ、ながいも、つくねいも、いちょういも、やまといも等を対象としています。

 一般的に知られている「とろろ」はやまのいもをすりおろしたもので、これを使った料理に「山かけ」、「とろろ汁」等があります。

(答)
 「ゼラチン」は主に、牛、豚を主原料として製造され、大変多くの加工品に原材料として用いられています。

 「ゼラチン」は日本標準商品分類上、明確な分類項目はありませんが、「ゼラチン」の名称で流通している製品を原材料として用いている場合はアレルギー表示の対象となります。

 なお、「ゼラチンを含む」と表示するものは、「ゼラチン」の名称で流通している製品を原材料として用いている場合であり、「豚肉」や「牛肉」を原材料として製造し、製造過程において「ゼラチン」が抽出される場合は、「豚肉を含む」、「豚を含む」等と表示します。

(答)
 動物の血液、胆汁又は血しょう(プラズマ)だけならば表示の対象にはなりませんが、肉片が混ざるのであれば表示の対象となります。

(答)
 本来、「さけ」と「ます」は同じ魚でありますが、海から採れるものを表示の対象とした経緯もあり、海で養殖するのであれば表示の対象となりますので、アレルゲンの表示として「さけ」を含む旨を表示してください。

E.表示方法

(答)
 アレルギー表示は、特定原材料等を原材料として含む旨又は食品に含まれる添加物が特定原材料等に由来する旨を、原則、原材料名の直後に括弧を付して表示してください。

その際は、

① 原材料の場合は、全て「(~を含む)」と表示してください。

② 添加物の場合、原則、「(~由来)」と表示してください。

 ただし、例えば、同じ添加物Aであるが特定原材料等由来の添加物A-①と特定原材料等由来でない添加物A-②を併用して食品を製造する場合、表示としてはまとめて添加物Aとして表示することになりますが、A-①の使用割合が極めて少ない場合、「~由来」との表現がなじまないため、このような場合は、添加物であっても「~を含む」と表示することも可能とします。また、食品衛生法に基づく添加物の規格基準で、「食品又は添加物を含むことがある」と定義されている添加物(例:アガラーゼ、ウェランガム等)については、食品又は添加物を含めて一つの添加物とする場合があることから、当該添加物についても、「~由来」との表現がなじまないため、「~を含む」と表示することも可能です。

(答)
それぞれの原材料や添加物の直後に括弧を付して特定原材料等を含む旨を表示するのが個別表示です。

原材料に特定原材料等を含む場合は、「《原材料名》(《特定原材料等》を含む)」と記載してください。例えば「…、酵母エキス(小麦を含む)、…」。

また、添加物が特定原材料等に由来するものである場合は、「《添加物》(《特定原材料等》由来)」と表示してください。例えば、「…、乳化剤(大豆由来)、…」。

(答)
添加物のうち、抗原性が認められない物以外は、使用された特定原材料等が判別できるように表示する必要があります。表示方法は、次のとおりです。

① 原則として「物質名(~由来)」と表示します。

② 乳化剤、調味料等の一括名で表示する添加物の場合は、一般的に「一括名(~由来)」と記載します。

③ 甘味料等の用途名併記で表示する添加物の場合は、「用途名(物質名:○○由来)」 又は「用途名(物質名(○○由来))」と表示しますが、見やすさの観点からは、二重括弧を使用するよりも、「:」を使用する方がより望ましいです。
 また、2つ以上の特定原材料から構成される添加物については、用途名(物質名:○○・△△由来、物質名:●●・▲▲由来)と表示して下さい。

④ 別名又は簡略名で、「卵」、「大豆」、「乳」等を意味する表現が認められている添加物の場合は、その名称をもって「(~由来)」の表示を省略することができます。
 考え方としては、従来からの添加物の表示内容や表示方法は変更せずに、従来の表示方法では特定原材料等に由来することが分からないものについては(~由来)の表示をすることになります(「食品表示基準について」(平成27年3月30日消食表第139号消費者庁次長通知)別添アレルゲンを含む食品に関する表示別表2 特定原材料等由来の添加物についての表示例参照)。

(答)
 繰り返しになるアレルギー表示の省略については、事業者に個別表示を促すための仕組みであることを踏まえ、食品表示基準第3条第2項の表の別表第14に掲げる食品(以下「特定原材料」という。)を原材料とする加工食品(当該加工食品を原材料とするものを含み、抗原性が認められないものを除く。)及び特定原材料に由来する添加物(抗原性が認められないもの及び香料を除く。以下同じ。)を含む食品の項の3において、「当該食品に対し二種類以上の原材料又は添加物を使用しているものであって、当該原材料又は添加物に同一の特定原材料が含まれているものにあっては、そのうちのいずれかに特定原材料を含む旨又は由来する旨を表示すれば、それ以外の原材料又は添加物について、特定原材料を含む旨又は由来する旨の表示を省略することができる。」と規定しています。

 なお、原材料と添加物の事項欄を分けた場合であっても、同様に省略が可能です。

(答)
 (E-4)の回答のとおり、繰り返しになるアレルギー表示は省略することができることとしていますが、その一方で、抗原性が認められないとまではいえないが、一般的にアレルゲンが含まれていても摂取可能といわれている食品があります。例えば、醤油の原材料に使用される小麦は、醤油を作る過程で小麦のタンパク質が分解されるため抗原性が低いといわれています。このような食品について、今後、国として調査研究を行い、科学的知見が得られた場合には、その食品が原材料として含まれる食品については、食物アレルギー患者の選択の判断に寄与する見直しを行うこととします。

 なお、その科学的知見が得られるまでの間の対応として、最終食品に同一の特定原材料等が複数含まれており、そのうち一般的にアレルゲンが含まれていても摂取可能といわれている食品(醤油の小麦と大豆、味噌の大豆、卵殻カルシウムの卵など)が含まれている場合であって、繰り返しになるアレルギー表示を省略する場合にあっては、以下のような表示をすることが望ましいです。

① 一般的に摂取可能といわれている食品以外の同一の特定原材料等が含まれる原材料に含む旨を表示する。

② 一般的に摂取可能といわれている食品にアレルギー表示をする場合は、一括表示枠の近接した箇所にその他の原材料にも同一の特定原材料等が含まれている旨を表示する。

(答)
 食品表示基準第3条第2項の表の別表第14に掲げる食品(以下「特定原材料」という。)を原材料とする加工食品(当該加工食品を原材料とするものを含み、抗原性が認められないものを除く。)及び特定原材料に由来する添加物(抗原性が認められないもの及び香料を除く。以下同じ。)を含む食品の項の1において、「原則、原材料名の直後に括弧を付して表示する。」と規定されています。これは、重篤な症状を持っている食物アレルギー患者は選択できる食品が限られており、その中から喫食可能な食品を選択する際に確実に情報が得られるという患者からの要望があり、アナフィラキシーショックにより命に関わることもあるという食物アレルギーの病態を考慮し、個別表示を原則としました。

 ただし、これまで個別表示をするか、一括表示をするかは、事業者の判断で選択されており、一括表示についても相当程度普及していること、また、一覧性があるなどのメリットを踏まえ、個別表示により難い場合や個別表示がなじまない場合などは、一括表示も可能なこととしますが、その場合にあっても、食物アレルギーの病態を理解し、どのような表示が患者にとってふさわしいか考慮した上で表示するようにしてください。なお、個別表示により難い場合や個別表示がなじまない場合などの例示を以下に示します。

  • 個別表示よりも一括表示の方が文字数を減らせる場合であって、表示面積に限りがあり、一括表示でないと表示が困難な場合
  • 食品の原材料に使用されている添加物に特定原材料等が含まれているが、最終食品においてはキャリーオーバーに該当し、当該添加物が表示されない場合
  • 同一の容器包装内に容器包装されていない食品を複数詰め合わせる場合であって、容器包装内で特定原材料等が含まれる食品と含まれていない食品が接触する可能性が高い場合
  • 弁当など裏面に表示がしてあると、表示を確認するのが困難であるとの食物アレルギー患者からの意見を踏まえ、裏面に表示があるために表示を確認することが困難な食品について、表面に表示するため(ラベルを小さくするため)に表示量を減らしたい場合

(答)
 今まで、特定原材料等そのものが原材料に使用されている場合や、代替表記等で表示されていれば、一括表示欄への表示は省略可能であったため、省略して表示している場合と、省略せずに表示している場合が混在していました。

 また、省略している場合、アレルギー表示制度を正確に理解していない消費者(例えば、食物アレルギー患者を孫に持つ祖父母など)が、一括表示に表示されている特定原材料等が当該食品に含まれる特定原材料等の全てと誤認して事故が起きることがありました。

 このような状況を踏まえ、一括表示のメリットである一覧性に着目し、一括表示を見ることで、その食品に含まれる全ての特定原材料等を把握でき、アレルギー表示の見落としの防止を図るため、特定原材料等そのものが原材料として表示されている場合や、代替表記等で表示されているものも含め、一括表示には当該食品に含まれる全ての特定原材料等を表示することにしました。

 また、今まで一括表示は、「原材料の一部に○○を含む」と、原材料と添加物の間に書く場合、「その他、○○由来原材料を含む」という表記方法がありましたが、これは、アレルギー表示制度導入当初にJAS法との関係で「その他、○○由来原材料を含む」という表示方法が示されていたものです。しかし、複数の表示方法があることは、消費者に誤認を与える場合があり望ましくないため、表示方法を統一することとしました。

 統一に当たっては、

① 旧食品衛生法に基づく表示基準の下では、原材料欄の最後に「原材料の一部に○○を含む」と表示する方法が一般的な表示となっていること
② 一括表示については、特定原材料等そのものが原材料に使用されている場合や、代替表記等で表示されているものも含め、一括表示には当該食品に含まれる全ての特定原材料等を表示することとしたため、表示量が増えること
③ 食品表示基準では原材料と添加物を区分して表示することとしたこと

を踏まえ、一括表示をする場合は、原材料欄の最後(原材料と添加物を事項欄を設けて区分している場合は、それぞれ原材料欄の最後と添加物欄の最後)に「(一部に○○を含む)」と表示することとします。

 なお、このことにより、5年の経過措置期間中、旧基準の特定原材料等そのものが原材料として表示、又は代替表記等で表示されているため、一括表示欄への表示が省略されているものと、新基準の代替表記等も含めて全て一括表示するものとが混在し、食物アレルギー患者がどちらか判断がつかないケースが考えられますが、新基準の一括表示を「一部に○○を含む」とすることにより、旧基準によるものか、新基準によるものかの判別が可能となると考えています。

(答)
 一括表示は、それぞれ事項内の最後にまとめて表示することとします。

① 原材料と添加物を区分し、それぞれ事項を設けて表示する場合は、それぞれの事項内に含まれる(由来する)特定原材料等について、それぞれの事項内の最後に表示してください。

② それぞれ事項を設けずに原材料と添加物を区分して表示する場合は、それぞれ事項内に含まれる(由来する)特定原材料等について、事項内の最後に表示してください。

(答)
 特定原材料等の表示方法としては、①個々の原材料の表示の直後に括弧書きで特定原材料等を記載する個別表示と②事項内の表示の最後に一括して括弧書きで特定原材料等を表示する一括表示がありますが、これらの表示を組み合わせて使用することはできません。

 ただし、業者間取引において、原材料を送り状等に表示する場合に限り、容器包装へのアレルギー表示は、原則、原材料に係るものは一括表示、添加物に係るものは個別表示をしてください。

(答)
 「乳」のアレルギー表示は「乳成分を含む」と表示します。

 特定原材料の「乳」の表示方法において、乳製品に「乳を含む」、乳等を主要原料とする食品に「乳を含む」や「乳製品を含む」と表示することは、乳等省令で定義する「乳」や「乳製品」そのものを用いて製造しているかのように示すものであり、これは認められていません。なお、これまでは乳や乳製品、乳等を主要原料とする食品の表示基準が告示により定められていました。

 しかし、乳のみに定められた当該基準は

① 事業者にとって分かりづらいこと
② 遵守コストがかかること
③ 食物アレルギー患者にとっては「乳成分」が含まれていることが分かればよいこと
④ 「乳化剤」等の紛らわしい言葉と区別させるためであること

から、複数の表示方法ではなく、「乳」のアレルギー表示は「乳成分」のみとすることとしました。

 なお、添加物の場合は、日本語的な意味合いから、「乳成分由来」ではなく、「乳由来」とします。

(答)
「落花生」のアレルギー表示は、「落花生を含む」、「ピーナッツを含む」又は「落花生(ピーナッツ)を含む」と表示します。具体的には以下のとおり表示してください。

(個別表示の場合)
【表示例】
△△△(落花生を含む)
△△△(ピーナッツを含む)
△△△(落花生(ピーナッツ)を含む)

(一括表示の場合)
【表示例】
□□、△△△、(一部に落花生を含む)
□□、△△△、(一部にピーナッツを含む)
□□、△△△、(一部に落花生(ピーナッツ)を含む)

(答)
 特定原材料等を複数含んでいる場合の接続について、「・」、「、」のルールは通知やQ&Aでこれまで明示されていなかったため、事業者によって「・」や「、」を使用しているケースが見られますが、「平成13年度厚生科学研究補助金生活安全総合研究事業「食品分野 食品由来の健康被害に関する研究 食品表示が与える社会的影響とその対策及び国際比較に対する研究」」における研究の一環として、「食品表示研究班アレルギー表示検討会」を開催し、「食品表示研究班アレルギー表示検討会中間報告」、「最終報告書」を取りまとめており、その中で、消費者がよりよく認知できるための表示方法として、「特定原材料等が2つ以上になる場合は、特定原材料等どうしは『・』でつなぐ。」こととされていることを踏まえ、今後は以下のとおり表示することとします。

(個別表示の場合)
 原則、一の原材料(添加物を含む)に対して複数の特定原材料等を含んでいる(由来している)場合は、それぞれの特定原材料等を「・」でつなぐこととします。
 【表示例】ショートニング(牛肉・大豆を含む)

(一括表示の場合)
 原則、一括して表示する特定原材料等を2つ以上含んでいる(由来している)場合は、それぞれの特定原材料等を「・」でつなぐこととする。
 【表示例】(一部に大豆・乳成分を含む)

(答)
 カゼインやコラーゲン自体を食するのであれば「○○を含む」と表示する必要がありますが、一般飲食物添加物として使用する場合は「○○由来」と表示する必要があります。

(E-13)一般飲食物添加物のアレルギー表示方法

(答)
 ゼラチンの表示は原材料としてゼラチンのみを表示すればよいので、「由来」や「含む」を表示する必要はありません。

(答)
 例えば、ラード(40%)、牛脂(30%)、パーム油(20%)、大豆油(10%)を混合して製造された食用油脂がある場合、全部を表示した場合、「食用油脂(豚脂、牛脂、パーム油、大豆油)」となります。これらのうち、特定原材料に準ずるものではないのはパーム油のみですが、食品表示基準上は含有量が多いもの(パーム油)を省略し、より少ないもの(大豆油)を表示することは、消費者に誤認を与える可能性もあるので認められません。よって、この場合は省略せずに表示するか、この食用油脂を用いて食品を製造した場合は「○○、△△、食用油脂、××、(一部に豚肉・牛肉・大豆を含む)」と一括表示します。

 様々な原材料の中、特定原材料等のみを括弧書きで特記してしまい、他の原材料を省略すると、かえって消費者に誤解を与えてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

 このように、アレルギー表示の規定とその他の規定がありますので、表示に不足が生じないよう確認することが重要です。

(答)
 原材料名の直後に括弧を付して表示する個別表示が原則ですが、詰め合わせ食品の各構成要素ごとに次のような表示も可能です。

【表示例】
<おかき>・・・・、(一部に○○を含む)
<クッキー>・・・・、(一部に△△を含む)

(答)
 食品表示基準においては、容器包装を開かないでも容易に見ることができるように当該容器包装又は包装の見やすい箇所に表示することとしています。したがって、添付文書等による特定原材料等を含む旨の情報提供のみでは、表示とはみなされません。

 なお、容器包装に正確に表示をした上で更に情報提供の用紙を添付することは可能です。

(答)
 「乳又は乳製品を主要原材料とする食品」はこれが名称であるため、「乳製品」又は「脱脂粉乳製品」といった単独での表示は好ましくありません。

(答)
 原材料が一種類のみで原材料名の表示を省略する場合にあっては、名称や種類別の表示に括弧を付して「(乳成分を含む)」と表示してください。

 【表示例】種類別 クリーム(乳成分を含む)

(答)
 「その他」は食品名ではないため、「その他」の直後に括弧を付して特定原材料等を含む旨を表示することは好ましくありません。このため、「その他」と省略せず、使用した原材料を全て表示し、当該原材料に括弧を付して特定原材料等を含む旨を表示するか、複合原材料そのものに括弧を付して特定原材料等を含む旨を表示してください。
 具体的な表示方法は以下のとおりです。

(個別表示の場合)
【表示例】
△△△、煮物(レンコン、にんじん、ごぼう、砂糖、しょうゆ(大豆・小麦を含む))、□□□、××××

【表示例】
△△△、煮物(レンコン、にんじん、ごぼう、その他)(大豆・小麦を含む)、□□□、××××

(一括表示の場合)
【表示例】
△△△、煮物(レンコン、にんじん、ごぼう、その他)、□□□、××××、(一部に大豆・小麦を含む)

(答)
 添加物製剤に含まれる食品素材に特定原材料等が含まれている場合も、アレルギー表示は必要となります。添加物製剤についても、原則、個別表示とし、主剤・副剤・食品素材に括弧を付して特定原材料等を表示してください。

【表示例】
 レシチン(大豆由来) 50%
 カゼインナトリウム(乳由来) 5%
 リン酸三カルシウム 0.5%
 食品素材(コーンデキストリン、乳糖) 44.5%
 ※乳糖は乳の代替表記の拡大表記のため「乳成分を含む」を省略

 また、添加物製剤を食品の原料として使用した場合、個別表示によることができない場合は、一括表示をしてください。
【例】

  • 副剤が食品に影響を及ぼさないのであればキャリーオーバーとなるため、添加物の表示が不要ですが、その添加物に特定原材料が含まれており、かつ当該特定原材料を含む原材料及び添加物がほかに無く、繰り返しになるアレルギー表示の省略ができない場合
  • 添加物製剤中の食品素材は原材料としての表示が不要であるが、その食品素材に特定原材料が含まれており、かつ当該特定原材料を含む原材料及び添加物がほかに無く、繰り返しになるアレルギー表示の省略ができない場合

(答)
 全ての食品はアレルギーを引き起こす可能性がありますが、全ての食品にアレルギー表示をさせることは現実的ではなく、また、アレルギー表示をする意味が無くなるため、おおむね3年ごとに実施している全国実態調査に基づき、その中で特に症例数の多い食品・重篤度の高い食品等について特定原材料として表示を義務付け又は特定原材料に準ずるものとして推奨しているものです。なお、平成30年度の実態調査の結果によると、特定原材料等で全症例の94.5%を、また、ショック症例の94.0%を占めています。

 特定原材料等以外のアレルゲンを一括表示枠内に表示することは、新たに追加されたものと誤解されるおそれがあり、整合性の観点から、一括表示枠内には表示できませんので、特定原材料等以外の食品にアレルギー表示をしたい場合は、任意で一括表示枠外に表示してください。

 なお、現時点において特定原材料等でない食品であっても、今後、全国実態調査により症例数や重篤な症状を呈する者の数が継続して相当数みられるような場合は、特定原材料等に追加するかどうかが検討されることになります。

(答)
 特定原材料に準ずるものについては、表示が義務付けられておらず、その表示を欠く場合、アレルギー疾患を有する者は当該食品が「特定原材料に準ずるものを使用していない」又は「特定原材料に準ずるものを使用しているが、表示がされていない」のいずれであるかを正確に判断することが困難となっています。このため、「この食品のアレルゲンは特定原材料に準ずるものを含めて対象範囲としています。」、「この食品は28品目のアレルゲンを対象範囲としています。」、「アレルゲンは表示義務品目のみ対象範囲としています。」、「アレルゲンは義務7品目を対象範囲としています。」、「アレルゲン(28品目対象)」、「アレルゲン(特定原材料のみ)」、「アレルゲン(特定原材料に準ずるものも含む)」等、対象範囲について、特定原材料7品目のみを対象としているのか、特定原材料に準ずるものを含む28品目を対象としているのかが明確となるように一括表示枠に近接した箇所に表示するよう努めてください。

 なお、表示については、(I-9)と同様に、取扱商品の包装資材の切替状況等を勘案し、各食品関連事業者の判断で表示時期を決めていただくことになります。

 また、ウェブサイト等を活用して、消費者等に情報提供することも有用と考えます。

(答)
 (E-23)のとおり、アレルギー表示の対象が、特定原材料7品目又は特定原材料に準ずるものを含む28品目であるかを明確に表示するよう努めることとしています。
 また、「特定原材料に準ずるものを含むであろう」とアレルギー疾患を有する者が社会通念に照らし認識する食品については、当該特定原材料に準ずるものを使用せずに当該食品を製造等した場合であって、それが製造記録等により適切に確認できる場合には、当該特定原材料に準ずるものを使用していない旨を表示することが望ましいと考えていることから、「使用していない旨」を一括表示枠外に表示してください。

 例えば、一般に「フルーツミックスジュース」には「りんご(特定原材料に準ずるもの)」を使用していますが、「りんご」を使用しないで・・・・・・「フルーツミックスジュース」を製造したことが適切に確認された場合には、「本品はりんごを使っていません。」と表示してください。

 なお、特定原材料等を使用していないと消費者が一般的に認識する場合、例えば、ミネラルウォーターに大豆を使用していない場合にまで、「本品は大豆(特定原材料に準ずるもの)を使っていません。」と表示する必要はありません。

(答)
 「使用していない」旨の表示は、必ずしも「含んでいない」ことを意味するものではありません。これは、表示をする者が、特定原材料等の使用の有無について、製造記録などにより適切に確認したことを意味するものです。

 例えば、一般に「ケーキ」には「小麦粉(特定原材料)」を使用していますが、「小麦粉」を使用しないで・・・・・・「ケーキ」を製造した場合であって、それが製造記録などにより適切に確認された場合に、「本品は小麦(粉)を使っていません」と表示することができます。しかし、このような場合であっても、同一の調理施設で小麦粉を使ったケーキを製造していた場合、コンタミネーションしている場合がありますので、この表示をもって、小麦が製品に含まれる可能性を否定するものではありません。

 このため、「使用していない」旨の表示をする場合は、コンタミネーションの防止対策の徹底も図るなど、できる限り、アレルゲンの混入を防止するよう努めてください。

(答)
 原材料表示のうち特定原材料等に係る表示の視認性を高め、アレルギー疾患を有する者が適切に判断できるよう、特定原材料等の表示の文字の色や大きさ等を変えることは有用な方策です。

 また、特定原材料等の表示が省略できる代替表記や拡大表記(例 小麦の代替表記:コムギ、小麦の拡大表記:小麦粉)を原材料として使用した場合についても、特定原材料等と同様に、原材料として表示される代替表記や拡大表記そのものについて文字の色や大きさ等を変えることが可能です。

 具体的には、他の表示より文字を大きくすること(おおむね他の文字の1.5倍以下)や、背景となる容器包装の色を考慮した上で、文字の色を他の表示と変えることなどができます。また、文字のフォントを変えること、太文字にすること、下線を付けること、網をかけること、影つき文字、中抜き文字、浮き出し文字、浮き彫り文字等にすることも可能です。ただし、複数の特定原材料等を表示する場合には、全ての特定原材料等について統一した色や大きさなどとなるようにし、優良誤認に当たらないように配慮する必要があります。

 ※優良誤認:実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認させる表示

F.代替表記等

(答)
 実際に食品に表示をするとき、限られた表示スペースに特定原材料等に関する表示を行っていくことには限界があります。そのため、特定原材料等と表示方法や言葉が違うが、特定原材料等と同じものであることが理解できる表示の場合は、アレルギー表示を省略することができます。ただし、難しい漢字表記等、広く一般消費者が理解できないような表示方法となっては無意味となってしまいます。そこで、実際に食品を購入する食物アレルギー患者(子供から大人まで)、保護者等を主な対象としてアンケート調査を行い、自分でおやつを購入するアレルギーを持つ子供でも読みとることができ、判断できる表示方法を基本として次のように代替表記を認めることとしています。

 表示方法については、次に示す代替表記及びその拡大表記(※)による表記を用いることができます。これらの表示方法は必要に応じ見直すこととなります(「食品表示基準について」(平成27年3月30日消食表第139号消費者庁次長通知)別添アレルゲンを含む食品に関する表示別表3 特定原材料等の代替表記等方法リスト参照)。

 なお、旧食品衛生法に基づく表示基準で認められていた特定加工食品及びその拡大表記については、事故事例等があることから廃止することとしています(F-2参照)

※代替表記及びその拡大表記

① 代替表記:特定原材料等と表示方法や言葉が違うが、特定原材料等と同じものであることが理解できる表記

② 拡大表記:①に掲げる代替表記を含むことにより、特定原材料を使った食品であることが理解できる表記例

1)卵
 一般的に、「玉子」、「タマゴ」、「エッグ」等の表示であっても、特定原材料である「卵」を使用していると理解できるので、これらは代替表記として認めます。さらに、代替表記を拡大し、これらの代替表記を含む原材料名「厚焼玉子」、「ハムエッグ」は卵を使用していると理解できるとみなし、特定原材料に関する拡大表記として認め、含む旨の表示は省略できます。

2)さけ
 「鮭」、「サーモン」、「しゃけ」等の表記であっても、特定原材料に準ずるものである「さけ」を使用していると理解できるので、これらは代替表記として認めます。しかし、「ます」では一般に「さけ」を示しているとは理解できないので、代替表記としては認められません(→さけ、ますの定義については【D-15参照】)。「からふとます(さけ)」等のように「さけ」であることを示してください。代替表記を拡大し、「鮭フレーク」、「スモークサーモン」により特定原材料等に関する表記とすることはできます。

3)大豆
 「だいず」、「ダイズ」等の表記は代替表記として認められますが、「えだまめ」、「もやし」、「黒豆」等は一般的に大豆と結び付けるのが困難なため、認められません。よって、「えだまめ(大豆)」、「大豆もやし」等で表示する必要があります。また、代替表記の拡大として、「大豆油」、「脱脂大豆」により特定原材料に準ずるものに関する表記とすることができます。

(答)
 旧食品衛生法に基づく表示基準では、マヨネーズ等は「特定加工食品」としてアレルギー表示を省略することができましたが、

  • マヨネーズに卵が入っていることを知らないという事故事例があること
  • 卵アレルギー患者にはいわゆる大豆マヨネーズがよく知られるようになっており、マヨネーズ=卵との認識がなく、特に子どもが通常のマヨネーズと誤認する事例があること
  • マヨネーズ以外の特定加工食品についてもいわゆる大豆マヨネーズのような代替品があるものもあり、マヨネーズのような事故や誤認が生じる可能性があること

などから、特定加工食品の制度を廃止することとしました。

 したがって、食品表示基準では、代替表記(表記方法や言葉が違うが、特定原材料等と同一であるということが理解できる表記)及びその拡大表記(特定原材料等の名称又は代替表記を含んでいるため、これらを用いた食品であると理解できる表記)以外については、アレルギー表示をする必要があります。

(答)
 旧食品衛生法に基づく表示基準では、「卵白」、「卵黄」については、特定原材料である「卵」の文字が含まれていることから、卵の代替表記の拡大表記として取り扱っていました。しかし、

  • それぞれ産業的完全分離は困難なこと(割卵機で分割した卵黄には必ず卵白が混入する。また、卵黄の場合の卵白ほどではないが、卵白にも割れてしまった卵黄の混入が避けられない。)
  • 正しい知識を持たない食物アレルギー患者が、卵黄だったら食べられると判断し、卵黄表示しかないものを選択した場合、前述のとおり、必ず卵白が混入するため事故の可能性が否定できないこと
  • 同一食品に「卵黄」と「卵白」が別々に使用されている場合で、例えば、使用した複合原材料がその名称からその原材料が明らかであるため複合原材料の原材料の表示を省略しているが、その中に「卵白」を使用している場合、「卵黄」は表示されているため、卵白の表示を省略した複合原材料に対する「卵白」についての「卵を含む」の表示は繰り返しになるため省略可能になります。このため、当該食品には「卵黄」のみが使用されているように消費者に誤認させることがあること

から、原材料に「卵白」又は「卵黄」のみの表示をする場合でも、アレルギー表示としては「卵」であることを食物アレルギー患者等に認識してもらうとともに、誤認を防止するためにも、「卵白」と「卵黄」については、代替表記の拡大表記の対象から除外し、「卵を含む」旨を表示することとしました。

(答)
 旧食品衛生法に基づく表示基準では、「乳」は、乳以外の食品と異なる内閣府令で表示基準が定められていたため、乳以外の特定原材料等と代替表記等方法リストの区分が一部異なっていました。このことから、次の見直しを行い、乳以外の特定原材料等と同様の扱いをすることとしました。

① 「種類別」欄を廃止
② 「代替表記」(表記方法や言葉が違うが、特定原材料と同一であるということが理解できる表記)を追加。
③ ①及び②に伴い、「代替表記の拡大表記」の区分を修正
④ 「特定加工食品」(一般的に乳又は乳製品を使った食品であることが予測できる表記)を廃止

 このことに伴い、「特定加工食品」に整理されていた「ミルク」については、「乳」を単に英語読みしたものであるため「代替表記」としました。

 また、「種類別」の表示により「含む旨」や「由来する旨」を省略できたもののうち、「乳」の言葉を含まない「バター」、「バターオイル」、「チーズ」及び「アイスクリーム」については、乳等省令に定義があり、乳以外から製造されることがないことから、代替表記とすることとしました。

 ただし、これら「ミルク」、「バター」、「バターオイル」、「チーズ」及び「アイスクリーム」については、「乳」の言葉を含まないことや、「ココナッツミルク」、「カカオバター」等の乳を含まない紛らわしい名称の食品もあり、食物アレルギー患者等が誤認することも考えられることから、可能な限り「乳成分を含む」旨を表示することが望まれます。

G.コンタミネーション

(答)
 ある特定原材料等Aを用いて食品Bを製造した製造ライン(機械、器具等)で、次に特定原材料等Aを使用しない別の食品Cを製造する場合、製造ラインを洗浄したにもかかわらず、その特定原材料等Aが混入してしまう場合があります。

 この場合、混入する可能性が完全に否定できない場合であっても、この混入物質は原材料ではないと判断される場合には、特定原材料等Aは食品Cの原材料とはなりませんので、表示の義務はありません。

 しかしながら、食物アレルギーはごく微量のアレルゲンによっても発症することがありますので、このようなコンタミネーションがないよう、生産ラインを十分洗浄することが大切です。

 さらに、その生産ラインでどのような原材料を用いた食品を製造しているかを管理し、必要に応じて消費者に情報提供することが望ましいです。

 なお、特定原材料等Aは食品Cに必ず含まれるということであれば、食品Cは特定原材料等Aを原材料として用いていると考えられますので表示が必要です。

(答)
 えび、かにが最終製品に必ず混入するということであれば、最終製品ではえび、かにが原材料の一部を構成していると考えられますので表示が必要です。

 一方、混入する可能性が完全に否定できない場合であっても、えび、かにが原材料の一部を構成していないと判断される場合には、表示の義務はありません。

 なお、魚肉すり身などには、様々な段階でえび、かにがコンタミネーションすることが考えられます。しかし、このような場合、原材料中の意図しないえび、かにの混入頻度と混入量が低いものについては、患者の食品選択の幅を過度に狭める結果になることから注意喚起表示の必要はないものと考えています。

(参考)
しらす・ちりめんじゃこ類や形態により消化管の除去が困難な魚を原材料とする一部のすり身類等については、厚生労働省において実施した混入検査により、特定原材料であるえび、かにを含む甲殻類が混入している食品も確認されています。

混入検査の結果 → https://doi.org/10.18891/jjfcs.15.1_12

(答)
 コンタミネーションしてしまう場合には、原材料表示欄外にその旨注意喚起をすることが望ましいです。

 ただし、一括表示枠外であっても、特定原材料等に関して「入っているかもしれない」などの可能性表示は認められませんので(H-1参照)、同一製造ラインを使用することや原材料の採取方法等により、ときにある特定原材料等が入ってしまうことが想定できる場合には、明確に注意喚起をしてください。

【注意喚起例】
○同一製造ライン使用によるコンタミネーション

  • 「本品製造工場では○○(特定原材料等の名称)を含む製品を生産しています。」
  • 「○○(特定原材料等の名称)を使用した設備で製造しています。」 等

○原材料の採取方法によるコンタミネーション

  • 「本製品で使用しているしらすは、かに(特定原材料等の名称)が混ざる漁法で採取しています。」

○えび、かにを捕食していることによるコンタミネーション

  • 「本製品(かまぼこ)で使用しているイトヨリダイは、えび(特定原材料等の名称)を食べています。」

(答)
 基本的にある製品の製造時に他の製品に用いた原材料中のアレルゲンがライン上でコンタミネーションすることは望ましいものではなく、十分な対策が必要です。製造ラインを複数の製品の製造に用いるとき(共有するとき)、コンタミネーションの防止対策として、製造ラインを十分洗浄した上で、特定原材料等を含まないものから製造することが考えられます。また、可能な限り専用器具を使用することも有効です。

(答)
 海外から輸入される穀類には、同じサイロや輸送施設を利用しているため、コンタミネーションすることがまれにあります(例:大豆と小麦)。このような場合、穀類原材料中の意図しない特定原材料等の混入頻度と混入量が低く、その混入が原因で食物アレルギーが発症しているとの疑いの報告がほとんどされていないものについては、患者の食品選択の幅を過度に狭める結果になることから注意喚起表示の必要はないものと考えています。

H.禁止される表示事例

(答)
 「可能性表示」(入っているかもしれません。)は認められません。

 「可能性表示」を認めると、PL法(製造物責任法)対策としての企業防衛、又は製造者による原材料調査の負担を回避するため、製造者によっては十分な調査を行わずに安易に「可能性表示」を実施することにもなりかねません。こうした安易な可能性表示を認めると、食物アレルギー患者にとって症状の出ない商品についても「可能性表示」によりアレルギー表示が行われ、かえって患者の選択の幅を狭めてしまうおそれがあります。

(答)
 原則として食品表示基準や通知で定める特定原材料等の名称(「食品表示基準について」(平成27年3月30日消食表第139号消費者庁次長通知)別添アレルゲンを含む食品に関する表示別表3特定原材料等の代替表記等方法リスト参照)に則り、表示します。以下のように特定原材料を複合化した表示方法は認められていません。

 ただし、製造工程上の理由などから次の食品に限って下記のように表示することができます。

 例えば「そば」について、原材料にそば粉を使用している場合であって、「そば粉」と表示する場合、「そば粉」の表示は「そば」の拡大表記であることから「そばを含む」という表示を省略することができます。これと同様に、原材料に魚醤(網で無分別に捕獲したものをそのまま原材料として用いているもの)を使用している場合、「魚醤(魚介類)」と表示し、これをもって代替表記とみなすため、改めて「えびを含む」などの表示は省略できることとなります。

 なお、原材料欄に単に「魚醤」や「魚肉すり身」などと表示する場合は、「えび」や「かに」などの特定原材料等が含まれていないと判断できる場合や、魚醤や魚肉すり身の原材料として「えび」や「かに」などの特定原材料等が含まれていると特定でき、個別表示の場合であって、他の原材料や添加物に同一の特定原材料等が含まれているため、魚醤等の「えびを含む」等を省略する場合、又は一括表示の場合であって、一括表示に「えび」や「かに」などを表示する場合のみ表示できることとなります。

(答)
 特定原材料等のうち、高価なもの(あわび、まつたけ等)が含まれる加工食品については、ごく微量しか含有されていないにもかかわらず、あたかも多く含まれるかのような表示が行われると、消費者に誤認を生じさせるおそれがあります。このため、表示に当たっては、例えば「エキス含有」など、それらの含有量、形態に着目した表示も併せて表示するようにしてください。表示は消費者への正しい情報提供の場となりますので、それが主要原材料であるかのような誤解を与えないように表示してください。

(答)
 食品表示法第5条において、食品関連事業者等は、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならないこととなっています。

 アレルギー表示については、食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項として食品表示法第6条第8項で規定する内閣府令で定めるものであるため、消費者の生命又は身体に対する危害の発生又は拡大の防止を図るため緊急の必要があると認めるときは、食品関連事業者等に対し、食品の回収その他必要な措置をとるべきことを命じ、又は期間を定めてその業務の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができることとされています。

 この命令に従わない者は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処せられ、又はこれを併科され、法人は前述の行為者を罰するほか、3億円以下の罰金に処せられることとなります。また、食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす表示事項について食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をした者は、命令・公表を待たずに、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処せられ、又はこれを併科され、法人は、前述の行為者を罰するほか、1億円以下の罰金に処せられることとなります。

(答)
 別枠を設けてアレルギー表示をしたからといって、原材料表示を省略することはできません。

I.行政の取組、その他

 乳糖の表示に関しては、幾つかの経緯を経て現在に至っています。

① 平成12年11月30日付け食物アレルギーの実態及び誘発物質の解明に関する研究班からの「アレルギー物質を含む食品に関する表示について」報告書において、「乳糖については、本来精製が完全であり、蛋白質の残存がなければ発症しないと考えられ、乳糖と表示されるのであれば乳成分を含む旨の表示は必要ないと考えられるが、今後の調査で蛋白の残存の知見や症例が判明したとき再検討を行う。」とされていました。これを受けて、平成12年12月26日、食品衛生調査会常任委員会より厚生大臣に対して、この報告に基づいた意見具申がなされ、その中で、「乳糖については、蛋白質の残存がないものについては、乳糖と表示されるのであれば、乳成分を含む旨の表示は必要ない」とされました。

② 食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)の一部改正に伴い、平成13年3月21日付食企第4号、食監発第48号のQ&Aでは、B-9『乳糖は精製が完全であり、蛋白質の残存がなければ、抗原性がないとの見知があるため特定原材料表示は必要ありません。ただし、今後新たな知見が得られた場合は再検討されることとなっています。』と記載しており、乳糖は精製が完全であること、及び蛋白の残存が見られないものについては、アレルギー表示は不要とされました。

③ 平成13年6月15日付事務連絡によるQ&Aの追加においては、H-8『精製が完全な乳糖は表示を不要としていますから、この場合は「乳」という文字を使われていても食品としての抗原性がはっきりと分からないので、カゼインナトリウムの(乳由来)を省略する事はできません。』と述べています。つまり乳糖については、「乳」の代替表記ではないことを示し、たんぱくの残存のある乳糖に関しては、乳糖(乳由来)と表示して頂くこととされていました。

④ 平成13年8月29日より、「アレルギー表示検討会」において、アレルギーを誘発する最少たんぱく量が検討され、平成13年10月29日付アレルギー表示検討会中間報告が出され、その結果を踏まえて平成13年12月28日付事務連絡によるQ&Aの追加がなされました。その中で、B-14『食物アレルギーを起こしうるアレルギー物質の含有量は数μg/gレベルであり、ng/gレベルでは一般にアレルギー反応を誘発する事は少ないであろうと考えられていることで意見が一致した・・・』との見解が得られたことより、アレルギー表示を必要とするたんぱく質の最小量の基準が規定され、乳糖についても、この基準が準用されることとされました。

⑤ 乳糖の精製度については、乳糖関係数社よりデータの提供を受け、
ア アレルギーを起こさないと考えられていた「精製が高度な乳糖」についても、たんぱく質が残存していること
イ 一般に市場に流通している「精製が高度な乳糖」についても、たんぱく質が0.3%程度残存すること
が判明しました。さらに、アレルギー表示検討会より、
ウ 乳糖についても、中間報告で出された微量の定義を適応する必要がある
エ 乳糖には「乳」の文字が含まれることにより、「乳」の拡大表記として認めることが妥当である
との見解が示されました。

(答)
 モニタリング調査については、食品中の特定原材料を測定する試験法を用いて、都道府県の保健所や衛生研究所等において、特定原材料の表示妥当性の監視のために行われています。このモニタリング検査では、科学的な検査と製造記録の確認によって総合的に調査されています。

(答)
 アレルギー表示が適正に行われているか確認するためには、特定原材料等を検知するための検出法が必要です。現在、食品中の特定原材料等の検出については、

  • サンドウイッチエライザ法やウエスタンブブロット法により、特定原材料等に含まれる特有のたんぱく質を検査すること
  • 遺伝子増幅法(PCR法)により、特定原材料等に含まれる特有の遺伝子を検査すること
  • 簡易な測定法として、イムノクロマト法により、迅速で簡易に検査すること

が可能であり、これらの検出法は、行政によるモニタリング検査に用いられています。

 しかしながら、このような科学的な検出法による検査のみでは、特定原材料等の使用の証明が困難なこともあるため、製造記録等による確認を併用することにより、表示の確認がされています。

(答)
 アレルゲンを含む食品に起因する健康危害を未然に防止するため、表示による情報提供の要望が高まってきたことなどから、厚生労働省においては、食物アレルギーの実態及び誘発物質の解明に関する研究を平成8年から免疫・アレルギー研究事業において検討されてきました。また、平成12年度から発足した食物アレルギー研究班において、実際に表示を義務化することにより生じる諸問題についての検討も行われてきました。

 平成21年9月に消費者庁が発足したことに伴い、厚生労働省で行ってきた実態調査や検査法の開発については、引き続き、消費者庁で実施しています。

 現在指定されている28品目は時代の変化とともに改訂されるもので、さらに実態調査・科学的研究を行い、新たな知見や報告により適宜、見直しを行っていきます。

(答)
 包装食品の表示に関するコーデックス一般規格では過敏症の原因として知られる以下の8種の原材料を含む食品にあっては、それを含む旨を表示する旨が規定され、加盟国で各国の制度に適した表示方法が定められています。

① グルテンを含む穀類及びその製品
② 甲殻類及びその製品
③ 卵及び卵製品
④ 魚及び魚製品
⑤ ピーナッツ、大豆及びその製品
⑥ 乳・乳製品(ラクト-スを含むもの)
⑦ 木の実及びその製品
⑧ 亜硫酸塩を10mg/kg以上含む食品

 コーデックスの表示対象品目は、分類の概念というべきものであり、食品の原材料の個々別に表示を行ったとしても矛盾しないものと考え、また、「特定原材料等」はコーデックスの表示対象品目のうち、①~⑦に該当した原材料となっています。⑧については、今後十分な調査を行っていくこととしています。

(答)
 製造元となる事業者は、ラベル表示のみで全てのアレルゲンに関する情報が伝達されることは困難であることを常に想定しつつ、アレルギー表示を必要とする特定原材料等、更には、これら以外の原材料についても、電話等による問合せへの対応やインターネット等による正確な情報提供などを行うことができる体制を整えることが求められています。

 各事業者の皆様において、商品の仕入れの際にその仕入れ先から商品に関する詳細な情報提供を受け、その情報を整理し、消費者からの問合せに対して迅速に回答できる体制を整えるように努めることが重要です。

 各食品に原材料の内容を出来る限り詳細に記載し、特定原材料7品目については、特に別枠を設けるなどして、消費者に対し、注意喚起を行うことが望ましいと考えられます。

 食品名欄には個別の分かりやすい表示を行い、販売している多くの類似商品のうち具体的にどの商品に関する原材料表示であるかが容易に判別できるようにします。
 表示可能面積の制約により、実際の食品には省略規定を採用している場合は、別途の情報提供において、正確に全ての特定原材料を表示します。
 特定原材料等について、これが微量でも含まれる可能性のあるものも含めて可能な限り把握し、情報提供します。
 情報提供をインターネットのホームページ等において行う場合は、各ホームページの分かりやすい部分に、表示内容についての問合せに対応できる部署又は担当者の名前、住所、電話番号、Eメールアドレス等を表示します。
 企業秘密に該当する場合であっても、アレルギー表示は必要です。しかしながら、他の原材料の詳細について情報提供ができない場合は、表示されているもののほかにも原材料を用いている旨を記載し、アレルギーに関する問合せ先等を記載することにより、個別に情報提供に応じることとします。

 その他、併せて、消費者等から特定原材料及びその他の製品に使用した原材料について問合せがあった際は、速やかに回答できる体制を整えることが望ましいです。

(答)
 外食等については、現在、アレルゲン情報の提供は義務付けられていませんが、平成26年4月から同年12月まで、消費者庁長官の下に「外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方検討会」を設置し検討を行っており、その検討会の中間報告において、

① アレルギー表示が義務付けられ、正確な表示がなされれば、患者にとって選択肢が広がると考えられる一方、
② 外食等の業態の特性を踏まえると、全ての外食等事業者が対応可能な形で、正確な表示が担保されることは現時点においては困難と考えられる

ことから、表示の義務化については慎重に考える必要があると整理され、まずは、外食等事業者が正しい知識・理解に基づく、事業者の規模・業態等に応じた、アレルゲン情報の自主的な情報提供の促進を進めていく必要があると整理されました。
 上記を踏まえ、消費者庁では平成28年度に外食等におけるアレルゲンの情報提供を促すこと及びアレルギーに関する事業者の研修を目的として動画を作成し、DVDにして各事業者団体や地方公共団体に配布したところです。
 研修用DVDを活用し、表示義務が課せられていない事業者にあってもアレルゲンについて積極的な情報提供をしてください。

(答)
 最寄りの保健所等において質問、相談を受け付けています。

 また、消費者庁食品表示企画課においても質問等をお受けします。

(答)
 食品表示基準附則第4条に基づく経過措置期間が令和2年3月31日に終了しましたが、原料原産地表示等の改正もあり、新たな表示制度に対応して各食品関連事業者による包装資材の切替えが進んでいます。また、アーモンドの追加は特定原材料でなく、特定原材料に準ずるものとしての追加です。このため、アレルゲンとしてアーモンドの表示を行うのであれば、可能な限り速やかに行うことが望ましいですが、取扱食品の包装資材の切替状況等を勘案し、各食品関連事業者の判断で表示時期を決めていただくことになります。
 また、アーモンドを取り扱う食品関連事業者がアレルゲンの表示を適切にするためには、原材料供給事業者等、流通段階での管理状況も重要であるため、事業者間における管理状況の情報共有も可能な限り速やかに実施してください。




※当サイトに「ガイドライン」は掲載していません。
※食品表示基準Q&A原文はこちら(外部リンク:消費者庁)
※最終更新:第12次改正(令和3年3月17日消食表第115号)

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