【食品表示の解説】ラベルレス アクエリアス(コカ・コーラ)

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ラベルレスボトルの食品表示とは?

アクエリアス・ラベルレスボトルの単品ボトル画像

食品の表示に関わる仕事をしているヤマケンと申します。(上級食品表示診断士)

「ラベルレスボトル」とは、そのまま表示ラベルの無いペットボトルのことです。

【関連ページ】ラベルレスボトルとは?|扱う際の注意点・食品表示上の問題点も解説

「表示ラベルの無い商品の食品表示」とは、どういうことでしょうか。

最近、食品業界の関係者からも、「あれ(ラベルレスボトル)って、どうなってるの?」と聞かれることが増えてきました。

答えは、「『ケース単位の商品』で、段ボール箱に食品表示がある」です。

このページでは、食品表示を含め「段ボール箱に何が書いてあるか?」を中心に、解説・考察していきたいと思います。

目次のクリックやタップでその項目までジャンプできますので、興味のある項目だけでも読んでもらえたらと思います。※モバイル表示の場合、サイドバー内にあります。

※筆者および本サイトは、商品のメーカーとは一切関係がありません。最新の情報は、実物の表示やメーカー公式サイト等をご確認ください。

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「ラベルレス アクエリアス」の段ボール表示

今回は、コカ・コーラさんの「ラベルレス アクエリアス」を見ていきます。

段ボール上面(ラベルレス・アクエリアス)
段ボール長面①(ラベルレス・アクエリアス)
段ボール長面②(ラベルレス・アクエリアス)
段ボール短面①(ラベルレス・アクエリアス)
段ボール短面②(ラベルレス・アクエリアス)

段ボール上面

まず、「段ボール上面」の画像を見てください。

「送り状(荷物を送る際にお届け先などを記入する紙)」を剥がした跡が分かりますでしょうか。

この「送り状によって文字が隠れ、更にうまく剥がせない恐れもある」ことについては、問題点として次のページで解説・考察しています。
ラベルレスボトルとは?|扱う際の注意点・食品表示上の問題点も解説

その段ボール上面には、「原材料名・栄養成分」といった「食品表示」や、次のような「注意喚起表示」が記載されています。

ケース内のペットボトルにはラベルや表示がありませんので下記内容に注意して取り扱いをお願いします。
・ペットボトル製品はこのケースで保管してください。
・ペットボトル製品単独での譲渡には十分にご注意ください。

この「ペットボトル製品単独での譲渡」に関する注意点についても、次のページで解説しています。
ラベルレスボトルとは?|扱う際の注意点・食品表示上の問題点も解説

段ボール長面

段ボール長面には、やはり「ケース販売専用」と記載されているほか、「賞味期限」が記載されています。

段ボール短面

段ボール短面には、「ケース販売専用」という記載や、商品名等の記載がありました。

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「ラベルレス アクエリアス」の食品表示(通常品との比較も)

項目段ボール箱の表示通常ラベルの表示
品名清涼飲料水清涼飲料水
原材料名(省略)(省略)
内容量500ml×24500ml
賞味期限側面に記載キャップに記載
保存方法高温・直射日光をさけて
ください
高温・直射日光をさけて
ください
販売者コカ・コーラカスタマー
マーケティング(株)
東京都港区六本木6-2-31
コカ・コーラカスタマー
マーケティング(株)
東京都港区六本木6-2-31
製造所北海道コカ・コーラ
プロダクツ(株)札幌工場
北海道札幌市清田区清田

1条1丁目2番1号

次は、段ボール箱記載の「食品表示」を見ていくとともに、「通常のラベル付きペットボトルの食品表示」との比較もしていきます。

中身が同じですので、当然ながら原材料を含めた表示内容もほぼ同じですが、「内容量」については違いが見られます。

「内容量:500ml×24」というのは、「ケース単位の製品」であることを意味しています。

例として、「大袋に入っていて、更に一つ一つが『個包装』されているお菓子」を思い浮かべてみてください。

「ラベルレスボトル」は、いわばお菓子の「個包装」に当たります。

そして、「段ボール箱」が「外側の袋」に相当するわけです。

「ケース販売専用商品」とすることによって、「個包装タイプの大袋お菓子」と同様の商品となり、「計量法」や「食品表示法」の表示義務を、「段ボール箱への表示のみ」でクリアしているんですね。

※ラベルレスボトル商品を「袋入りのお菓子」に例えましたが、「資源有効利用促進法」においては両者の扱いは異なります。詳しくはこちらへ(資源有効利用促進法の省令一部改正)。

また、アクエリアスでは、「内容量」のほか、「製造所の表示方法」にも違いが見られました。

ラベル有り商品では「製造所固有記号」を使用しているのに対して、ラベルレスボトルの段ボールには「製造所を直接表示」しているようです。

カロリー・栄養成分表示など

栄養成分表示100ml当たり1本(500ml)当たり
エネルギー19kcal約95kcal
たんぱく質0g約0g
脂質0g約0g
炭水化物4.7g約23.5g
食塩相当量0.1g約0.5g
カリウム8mg約40mg
マグネシウム1.2mg約6mg
実際の表示当サイト計算

・「ラベルレス アクエリアス」のカロリーは、100ml当たり19kcalです。
1本(500mg)当たりに換算すると約95kcalになります。

・「ラベルレス アクエリアス」の塩分(食塩相当量)は、100ml当たり0.1gです。
1本(500ml)当たりに換算すると約0.5gになります。

※なお、たんぱく質と脂質は0gの表示ですが、100mlあたり0.5g未満であればゼロ表示が可能です(単純に四捨五入してもゼロになります)ので、ごく微量含まれている可能性はあります。


成分表示100ml当たり1本(500ml)当たり
アルギニン25mg約125mg
イソロイシン1mg約5mg
バリン1mg約5mg
ロイシン0.5mg約2.5mg
実際の表示当サイト計算

アルギニン、イソロイシン、バリン、ロイシンについては、「食品表示基準に定められていない成分」ですので、栄養成分表示の枠外に記載することとされています。アクエリアスでは、枠外記載の代わりに「スラッシュ」で区分して表示しているようです。


アクエリアス・ラベルレスボトルのカロリーひかえめ表示

・「アクエリアス」には、「カロリーひかえめ」という表示があります。

これは栄養強調表示と言われる表示で、「熱量が低い旨」の基準が適用されると考えられます。無条件に書いて良いのかというと、実はそうではなく、熱量の場合は「100ml当たり20kcal未満」という条件を満たす必要があります。
(アクエリアスは、100ml当たり19kcalで、基準を満たしています。)

※専門的な話ですが、栄養強調表示をする場合、その栄養成分または熱量だけではなく、他の全ての栄養成分についても合理的な値の表示(『推定値』や『この表示値は、目安です。』という表示)はできません。

賞味期限

段ボール長面①(ラベルレス・アクエリアス)

「ラベルレス アクエリアス」は、「賞味期限」についても段ボール箱に表示されています。

アクエリアス・ラベルレスボトルの単品キャップ横画像

なお、「賞味期限」は、各ラベルレスボトルのキャップ部分にも印字されています。

これは、食品表示法の表示義務を満たすための表示ではなく、消費者の利便性のための表示でしょう。

もしくは、そもそも通常品には絶対に印字するものですので、印字しないように切り替える方がむしろオペレーション上のコストやリスクが増すから、だと思います。あるいは、それら両方の理由かもしれません。

ちなみに、今回購入したアクエリアスのラベルレスボトルは、製造所を直接表示しているため、「製造所固有記号」は使用していません。

専門的かつ仮定の話になりますが、「製造所固有記号を使用しているラベル有りの通常品」とキャップや製造ラインを共有していて、かつ「+HS」をその製造所固有記号だと仮定すると、工場所在地は「北海道札幌市清田区清田一条1丁目2番1号」で、実際に表示されている製造所と一致しています。


ここまで、読んでいただき、ありがとうございました。他のラベルレスボトル商品についても、順次、表示解説ページをアップできたらと思っています。

関連ページ:ラベルレスボトル一覧【種類別・メーカー別】

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