加工食品の表示の見方:産地表示の基礎知識

yamaken
yamaken

上級食品表示診断士のヤマケンです。
産地表示の基本的な見方を解説していきます。

スポンサーリンク

原産国の見方(輸入品?国産品?)

商品が輸入品か国産品かについては、「原産国名」の有無で判断できます。

①「原産国名」の表示があれば輸入品

名称
原材料名
内容量
賞味期限
保存方法
原産国名アメリカ
輸入者○○食品株式会社
東京都千代田区×××

流通している食品パッケージには、上のような表や枠が表示されています。
この枠を表示するか、または同じくらい分かりやすい方法で表示することが法律で決められています。
表示する箇所に決まりはないのですが、だいたい裏面にあることが多いです。

その枠の中に原産国名の表示があれば、その商品は輸入品です。
輸入元の国名が表示されるとともに、輸入業者の社名や住所が表示されます。
上の例だと、千代田区の会社がアメリカから輸入したことが分かります。

これは、海外で製品化(最終的なパッキングまで)してから輸入した場合の例です。

別の例も見てみましょう。

名称
原材料名
内容量
賞味期限
保存方法
原産国名アメリカ
加工者○○食品株式会社
北海道札幌市×××

違いが分かりますでしょうか。

一番下の項目が、輸入者ではなく加工者になっています。

海外で製造した食品をまとめて輸入し、国内で小分けパックしたもの(国内でごく簡単な加工をした場合も含む)は、このような表示になります。

国内で実質的な変更がされていないと判断されるもので、これも輸入品扱いになります。

この例では、輸入してきた業者がどこかは分かりませんが、中身を製造したのはアメリカで、最後にパックしたのは札幌の会社だということが分かります。

衛生上の最終的な責任者は輸入者ではなく加工者(パッキングした業者)になるため、このようなケースでは輸入者ではなく加工者の社名や住所を表示します。

②「原産国名」の表示が無ければ国産品

名称
原材料名
内容量
賞味期限
保存方法
製造者○○食品株式会社
北海道札幌市××××

輸入品の場合は原産国が表示されるので、「原産国名」の表示が無ければ国産品だと判断することができます。
「原産国名:日本」のような表示はされません。

スポンサーリンク

「原料」の産地表示の見方(原料原産地名)

ここまでは製品自体の製造国を見てきましたが、次は原料の産地を見ていきます。

輸入品の原料産地

輸入品の場合は、前述のとおり製品自体の製造国が「原産国名」として義務付けられているため、原料産地については表示義務になっていません。

個別に表示ルールが規定されている4品目

国産品で、以下の4品目については、非常に細かい産地表示ルールが定められています。
かなり長くなるうえ例外的なルールなので、ここでは省略しますが、もし興味があれば調べてみてください。

・農産物漬物
・野菜冷凍食品
・うなぎ加工品
・かつお削りぶし

原料原産地名の表示義務が定められた22食品群

国産品で、以下の22食品群については、その製品中に重量比で50%以上を占める生鮮原材料がある場合に、その原材料の産地表示が義務付けられています。

【農産加工品】
1.乾燥きのこ類、乾燥野菜及び乾燥果実
2.塩蔵したきのこ類、塩蔵野菜及び塩蔵果実
3.ゆで、又は蒸したきのこ類、野菜及び豆類並びにあん
4.異種混合したカット野菜、異種混合したカット果実その他野菜、果実及びきのこ類を異種混合したもの
5.緑茶及び緑茶飲料
6.もち
7.いりさや落花生、いり落花生、あげ落花生及びいり豆類
8.黒糖及び黒糖加工品
9.こんにゃく

【畜産加工品】
10.調味した食肉
11.ゆで、又は蒸した食肉及び食用鳥卵
12.表面をあぶった食肉
13.フライ種として衣を付けた食肉
14.合挽肉その他異種混合した食肉

【水産加工品】
15.素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類及びこんぶ、干のり、焼きのりその他干した海藻類
16.塩蔵魚介類及び塩蔵海藻類
17.調味した魚介類及び海藻類
18.こんぶ巻
19.ゆで、又は蒸した魚介類及び海藻類
20.表面をあぶった魚介類
21.フライ種として衣をつけた魚介類

【その他】
22.4又は14に掲げるもののほか、生鮮食品を異種混合したもの

原料原産地の表示方法としては、以下のように、対象となる原材料に括弧を付けて表示する方法が一つ。

名称乾燥果実
原材料名ぶどう(アメリカ)、砂糖、植物油脂
原料原産地名
内容量
賞味期限
保存方法
製造者

または、以下のように、「原料原産地名」の事項欄を設けて表示する方法があります。

名称乾燥果実
原材料名ぶどう、砂糖、植物油脂
原料原産地名アメリカ
内容量
賞味期限
保存方法
製造者

いずれも、乾燥果実(レーズン)の表示例ですが、生鮮食品である「ぶどう」の生産地がアメリカであることを意味しています。
なお、いずれの場合も、砂糖や植物油脂の配合比率が高く「ぶどう」の割合が50%に満たないような場合は原料原産地の表示義務はありません。

その他の食品の産地表示

国産品においては、今後は全ての加工食品について、もっとも使用量の多い原料の産地または製造地の表示が義務化されることになっています。
2022年4月製造分から完全義務化されます。

全ての加工食品とは、上記の4品目および22食品群以外のもの、4品目または22食品群に該当するが50%以上を占める生鮮原材料が無い等の理由で表示義務が無かったものを含みます。

タイトルとURLをコピーしました