上級食品表示診断士のヤマケンです。
話題の商品や僕のお気に入り商品を、食品表示の分析を交えてレビューしていく企画です。
今回はカルビー(株)さんの「ザ・ポテト(オホーツクの塩味)」の食品表示を見ていきたいと思います。
これ、実は美味しすぎて衝撃を受けたポテトチップスで、食品表示とか関係なしに紹介したいと思ってたやつです。
※筆者および本サイトは、商品のメーカーとは一切関係がありません。最新の情報は、実物の表示やメーカー公式サイト等をご確認ください。
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の栄養成分表示
栄養成分表示 | 単位 | 1袋55g当たり | 100g当たり |
---|---|---|---|
エネルギー | kcal | 301 | 547.27 |
たんぱく質 | g | 2.8 | 5.09 |
脂質 | g | 18.6 | 33.82 |
炭水化物 | g | 30.7 | 55.82 |
食塩相当量 | g | 0.5 | 0.91 |
実際の表示 | 当サイト計算 |
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の栄養成分表示は、1袋55g当たりの単位で表示されていて、カロリーは301kcalでした。
他の食品と比べる場合には100g当たりの数値で見るのが便利だと思いますので、計算したものを表に載せてあります。目安にしていただければと思います。
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の原材料と添加物
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の原材料表示
原材料名 | じゃがいも(遺伝子組換えでない)、植 物油、食塩(オホーツクの塩100%使 用)、デキストリン、コーンスターチ、昆 布パウダー(日高昆布100%使用)/ 調味料(アミノ酸等) |
原材料名欄の「/(スラッシュ)」の前までが原材料です。
※スラッシュ以降は添加物です。後述します。
原材料は、使用量の多い順に並べる決まりになっていますので、最も多く使われている原材料は「じゃがいも」だと分かります。
ポテトチップスですから、当然と言えば当然ですけどね。
ポテトチップスらしく植物油と食塩が使われていて、「旨味」をプラスするのに昆布パウダーが使われているのが特徴ですが、使用されている原材料の種類はあまり多くなく、比較的シンプルなラインナップかと思います。
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の添加物表示
原材料名 | じゃがいも(遺伝子組換えでない)、植 物油、食塩(オホーツクの塩100%使 用)、デキストリン、コーンスターチ、昆 布パウダー(日高昆布100%使用)/ 調味料(アミノ酸等) |
原材料名欄のスラッシュ以降が添加物です。
調味料は、甘味、酸味、苦味以外の味付けに使われる添加物です。
基本的には「うま味」だと思っていいと思います。
調味料(アミノ酸等)という表示は、具体的な物質名ではなく、一括名と呼ばれる添加物の表示方法の一つです。
例えば、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなんかが、調味料として使われるアミノ酸の例として挙げられますね。
調味料にはアミノ酸のほか、有機酸や核酸、無機塩といった分類があるのですが、マイク・ポップコーンの調味料にはアミノ酸をメインとしつつ他の分類の調味料も使われているため、「アミノ酸等」という表示になっています。
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の産地(原産国と原料原産地)
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の原産国表示
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)には「原産国名」の表示がありません。
この場合、製品の原産国が日本ということを意味します。
名称 | |
原材料名 | |
内容量 | |
賞味期限 | |
保存方法 | |
原産国名 | 輸入品の場合、ここに国名 |
輸入者 |
「原産国名:アメリカ」のような表示はされますが、「原産国名:日本」のような表示はされずに、原産国名の項目そのものを設けないことになります。
ですので、原産国名が無い製品については、国産品ということが分かるわけです。
※ただし、ものすごく小さい商品(表示可能面積が約30cm2以下)の場合は、原産国名の省略が認められているので、輸入品であっても書かれない場合があります。これは、ごく僅かな限られたスペースの中に、アレルギーや賞味期限といった安全性に関わる項目を優先的に表示させるためです。
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の原料の産地表示
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)は、産地の情報をWEBページで提供していて、商品に記載のQRコードからもアクセスできます。
アクセスすると、「じゃがいも 丸ごと!プロフィール」というページが表示されました。
さっそく画面の指示に従って、商品の製造所固有記号「C」と、4桁の記号「0F12」を入力してみます。
すると、検索結果の画面では、じゃがいもの産地に加えて、生産者さん、品種、工場の情報が表示されました。
ザ・ポテトに限らず、カルビーさんのポテトチップスはこのシステムの対象のようですので、お手元にポテトチップスがあったら検索してみてはいかがでしょうか。
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)の表示のココがポイント!
ザ・ポテト(オホーツクの塩味)には、遺伝子組換えに関する表示があります。
じゃがいも(ばれいしょ)は、遺伝子組換えの義務表示対象農産物の8品目のうちの1つになっています。
<遺伝子組換え食品の表示制度における、義務表示対象農作物>
・大豆(枝豆及び大豆もやしを含む)
・とうもろこし
・ばれいしょ
・菜種
・綿実
・アルファルファ
・てん菜
・パパイヤ
これらを使用した加工食品の多くにも遺伝子組換えに関する表示が義務付けられていて、主な原材料(原材料の上位3位まで、かつ「原材料+添加物」の5%以上の重量)が、遺伝子組換えのものである場合や、遺伝子組換えのものが混ざる可能性がある場合には、そのことを表示する義務があります。
実は、今回紹介したザ・ポテト(オホーツクの塩味)のように「遺伝子組換えでない」場合には表示義務はないのですが、消費者の方への情報提供として表示する場合が多いですね。
なお、上記8品目以外の作物に対して「遺伝子組換えでない」という表示はできません。表示禁止事項として、食品表示基準の第9条に明確に規定されています。
そもそも遺伝子組換えのもの自体が流通していないにも関わらず、あたかもその商品が遺伝子組換えでない特別なものかのような誤認を与えてしまう恐れがあるためです。
冒頭の挨拶でも軽く触れたんですが、これめちゃくちゃ旨いんですよ。
ニュースリリースには、「厳選した国産ジャガイモをそのまま厚切りにし、素材の味を楽しんでもらうこと」がコンセプトだと書いてあります。
一般的なポテトチップスより厚切りなんですが、かといって厚過ぎたり、硬過ぎたりする感じではありません。
箸で掴んでもボロボロ崩れないのもポイント高いんですが、厚さや硬さが一番のウリの商品というよりも、素材の味を楽しむための形を追求した結果として、やや厚めになったのかなあ、と勝手に解釈しています。
なんというか「芋食ってる感」があるんですよ。
新商品ですので、定番商品になるか、それとも消えていってしまうかは今が勝負どきなんだと思いますが、ぜひ末永く販売し続けて欲しいですね、僕のために(?)
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
ごちそう様でした。