※筆者および本サイトは、商品のメーカーとは一切関係がありません。最新の情報は、実物の表示やメーカー公式サイト等をご確認ください。
「緑のたぬき(東)」の食品表示
食品の表示に関わる仕事をしているヤマケンと申します。(上級食品表示診断士)
今回は、東洋水産株式会社さんの「緑のたぬき(東)」の食品表示を見ていきたいと思います。
※緑のたぬきは東日本向けと西日本向けで味付けが変わっていて、今回レビューするのは東日本向けのものです。
食品表示、つまりカロリーや原材料といった「食品のパッケージに書いてあること」のレビューになります。
目次のクリックやタップでその項目までジャンプできますので、興味のある項目だけでも読んでもらえたらと思います。※モバイル表示の場合、サイドバー内にあります。
カロリー・栄養成分表示
栄養成分表示 | 1食(101g)当たり | 100g当たり |
---|---|---|
エネルギー | 482kcal | 約477kcal |
たん白質 | 11.8g | 約11.7g |
脂質 | 23.6g | 約23.4g |
炭水化物 | 55.5g | 約55g |
食塩相当量 | 6.2g | 約6.1g |
(めん・かやく) | 2.3g | 約2.3g |
(スープ) | 3.9g | 約3.9g |
ビタミンB1 | 0.38mg | 約0.4mg |
ビタミンB2 | 0.31mg | 約0.3mg |
カルシウム | 160mg | 約158.4mg |
実際の表示 | 当サイト計算 |
・「緑のたぬき(東)」のカロリーは、1食(101g)当たり482kcalです。
・100g当たりに換算したカロリーは、約477kcalになります。
カロリーに関しては、枠外の自主的な表示で、「めん・かやく」と「スープ」に分けた参考値が記載されています。※1食(101g)当たり:めん・かやく439kcal、スープ43kcal
・「緑のたぬき(東)」の塩分(食塩相当量)は、1食(101g)当たり6.2gです。
・100g当たりに換算した塩分は、約6.1gになります。
※食塩相当量に関しては、食品表示基準に基づき合計量が表示され、公正競争規約に基づき「めん・かやく」と「スープ」に分けた数値が表示されています。※1食(101g)当たり:めん・かやく2.3g、スープ3.9g
一括表示(別記様式)
名称 | 即席カップめん |
原材料名 | 油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋、卵白)、 かやく(小えびてんぷら、かまぼこ)、添付調味料(砂糖、食塩、しょうゆ、魚介エキス、 たん白加水分解物、乳糖、香辛料、ねぎ、香味油脂)/加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、 炭酸カルシウム、カラメル色素、リン酸塩(Na)、増粘多糖類、レシチン、 酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ベニコウジ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、 カロチン色素、香辛料抽出物、(一部にえび・小麦・そば・卵・乳成分・大豆・豚肉・ やまいも・ゼラチンを含む) |
内容量 | 101g(めん72g) |
賞味期限 | カップ側面に表示 |
保存方法 | 高温多湿やにおいの強い場所、直射日光をさけ常温で保存 |
東洋水産株式会社 東京都港区港南2-13-40 製造所固有記号はカップ側面賞味期限の下段右側に表示 |
※社名の前が空欄なのは、「東洋水産株式会社」さんが「販売者」になる場合も「製造者」になる場合もあるからだと考えられます。その理由や詳細については、後述しています。
⇒ページ後半にジャンプ:製造工場について
原材料/添加物
原材料
「緑のたぬき(東)」の原材料は・・・
原材料:油揚げめん(小麦粉(国内製造)、そば粉、植物油脂、植物性たん白、食塩、とろろ芋、卵白)、かやく(小えびてんぷら、かまぼこ)、添付調味料(砂糖、食塩、しょうゆ、魚介エキス、たん白加水分解物、乳糖、香辛料、ねぎ、香味油脂)
です。
※原材料名欄の「/(スラッシュ)」の前までが原材料で、使用量の多い順に並んでいます。
添加物
「緑のたぬき(東)」の添加物は・・・
添加物:加工でん粉、調味料(アミノ酸等)、炭酸カルシウム、カラメル色素、リン酸塩(Na)、増粘多糖類、レシチン、酸化防止剤(ビタミンE)、クチナシ色素、ベニコウジ色素、香料、ビタミンB2、ビタミンB1、カロチン色素、香辛料抽出物
です。
※原材料名欄の「/(スラッシュ)」以降が添加物で、使用量の多い順に並んでいます。
アレルギー物質(アレルゲン)
特定原材料(義務表示7品目)
小麦 | 卵 | 乳成分 | 落花生 | そば | えび | かに |
・「緑のたぬき(東)」には、表示義務対象である「特定原材料」として「小麦・卵・乳成分・そば・えび」が含まれています。
特定原材料に準ずるもの(推奨表示21品目)
アーモンド | あわび | いか | いくら | オレンジ | カシューナッツ | キウイフルーツ | |
牛肉 | くるみ | ごま | さけ | さば | 大豆 | 鶏肉 | |
バナナ | 豚肉 | まつたけ | もも | やまいも | りんご | ゼラチン |
※クルミは将来的に義務表示品目に格上げされる方向で話が進んでいるようです。
・「緑のたぬき(東)」には、「特定原材料に準ずるもの」として「大豆・豚肉・やまいも・ゼラチン」が含まれています。
・2019年9月より推奨表示品目に追加されたアーモンドに関する表示について、対応しているかどうかは、パッケージからは分かりません。
※ただし、公式サイトではアーモンドが含まれていないことが示されています。
産地表示・製造工場など
原産国
・「緑のたぬき(東)」の原産国(製品を製造した国)は「日本」です。
※輸入品の場合には原産国が表示されています(基本的には保存方法の次の位置に挿入されます)。逆に言えば、原産国の表示のない商品の原産国は日本ということになります。
※ただし、ものすごく小さい商品(表示可能面積が約30cm2以下)の場合は、原産国名の省略が認められていますので、輸入品であっても原産国が表示されない場合もあります。これは、ごく僅かな限られたスペースの中に、アレルギーや賞味期限といった安全性に関わる項目を優先的に表示させるためです。
原料原産地
※原料原産地は、使用している原料の産地のことで、製品自体の産地を示す原産国とは意味が異なります。
「緑のたぬき(東)」の原料原産地表示は・・・
小麦粉(国内製造)
です。
加工食品は、「最も使用量の多い原材料」の原産地(または製造地)の表示が2022年4月製造分より完全義務化されますが、「緑のたぬき(東)」は既にこれに対応されていて、製造地が表示されています。
製造工場について
・「緑のたぬき(東)」の製造所(製造工場)は「製造所固有記号」で表示されています。
製造所固有記号は、表示責任者に応答の義務があるほか、消費者庁のサイトから検索することも可能です。
製造所固有記号は、同一製品を複数箇所で製造する商品に限って使用が認められています。
ですので、商品のロットによって異なる場所で製造(またはパッキング)していると考えられますが、今回入手した商品の記号は「+M1」で、製造者は「東洋水産株式会社 」さんでした。つまり「自社工場」です。
製造所の住所は、「群馬県館林市赤生田本町3831-1」です。「関東工場」で作られた商品のようです。
・「緑のたぬき(東)」の一括表示には、保存方法の次に「東洋水産株式会社」と書かれています。
「販売者:○○株式会社」や、「製造者:△△株式会社」と書かれることが一般的ですが、この「販売者」や「製造者」にあたる表示がありません。
どういうことかというと、「東洋水産株式会社」さんが、「販売者」になることもあれば、「製造者(または加工者)」になることもある、ということです。
これは「製造所固有記号」を使用した商品で、たまに見られる表示です。
例えば・・・
- 普段は自社工場で作っていて(製造者:東洋水産株式会社)
- 繁忙期は他社にも手伝ってもらう(販売者:東洋水産株式会社)
とか、
- 関東向けは自社の群馬工場で作っていて(製造者:東洋水産株式会社)
- その他の東日本に流通する分は他社に作ってもらう(販売者:東洋水産株式会社)
なんていうパターンが考えられます。
現行の製造所固有記号制度は、複数工場で袋やフィルム等の包材を共有化してロスを無くすための制度ですので、あらかじめ「製造者」または「販売者」と印刷してしまうとその意味を為さなくなってしまいます(包材を共有できなくなってしまいます)。
ですので、このようなケースでは、「製造者」や「販売者」を表示しなくても良いことになっています。
ちなみに「赤いきつね(東)」は「製造者」表記でしたので、他社には出さず、全て自社で製造しているようです。
なお、この場合の「他社」には自社のグループ会社も含まれますので、一般にイメージする外注とは異なる場合があります。
その他の表示
調理方法・使用上の注意(やけどに注意)
「食品表示基準」により、即席めんは「調理方法」を食品の特性に応じて表示することとなっています。
同じく「食品表示基準」により、「即席めんのうち食器として使用できる容器にめんを入れているもの」には「使用上の注意」を表示することとなっています。
「使用上の注意」としては、容器を加熱するものにあっては「調理中及び調理直後は、容器に直接手を触れないこと」等と、容器を加熱しないものにあっては「やけどに注意」等と表示します。
あとがき
今回の「緑のたぬき(東)」は、ウエルシア薬局で購入しました。
「緑のたぬき」は1980年に発売されたロングセラー商品です。1978年発売の「赤いきつね」より2年後輩のようです。
冒頭にも書いたとおり、緑のたぬきは東日本向けと西日本向けで味付けが変わっていて、今回レビューしたのは東日本向けのものです。西日本向けのものが手に入ったら比較なんかもやってみたいですね。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
ちなみに「赤いきつね(東)」の食品表示レビューもしています。
関連ページ:【食品表示レビュー】赤いきつね(東)(東洋水産)