上級食品表示診断士のヤマケンです。
さっそくですが、亀田製菓(株)さんのハッピーターンの食品表示を見ていきたいと思います。
※筆者および本サイトは、商品のメーカーとは一切関係がありません。最新の情報は、実物の表示やメーカー公式サイト等をご確認ください。
ハッピーターン(108g)の栄養成分表示
栄養成分表示 | 単位 | 100g当たり | 1個包装当たり |
---|---|---|---|
エネルギー | kcal | 520 | 20 |
たんぱく質 | g | 4.7 | 0.2 |
脂質 | g | 26.1 | 1.0 |
炭水化物 | g | 66.6 | 2.6 |
食塩相当量 | g | 1.46 | 0.06 |
ハッピーターンの栄養成分表示の特徴の一つは、100g当たり、1個包装当たりの栄養成分が並んで表示されていることです。
法律的にはどちらかだけを表示すればOKなのですが、多分ユーザーの利便性等を考慮して両方を表示しているんだと思います。
100g当たりの数字は他の食品と比べる時に便利ですし、1個包装あたりの数字はダイエット中なんかに摂取カロリーを計算する時に便利で、親切な表示方法だと感じます。
もっとも後者は、例えば3個だとしたら3個で止めるという強い意志が必要ですが。
言うまでも無く、ついつい手が出る、あとを引くタイプのお菓子なので、そういった意味では親切じゃないかもしれないですねw
僕はお世辞にも意志が強いとは言えない人間なので、普段は小さい規格のものを買って食べています。
67g規格のほうの栄養成分表示を見ると、こちらは1袋当たりの成分が表示されていました。
108gのものと違って、こちらは個包装タイプでは無く、食べきりサイズとして設計された商品だと考えられますので、1袋あたりの成分表示になっているんだと思います。
ハッピーターンの原材料と添加物
ハッピーターンの原材料表示
原材料名 | うるち米(米国産、国産)、植物油脂、 砂糖、でん粉、もち米粉(タイ産)、 たんぱく加水分解物(大豆を含む)、 食塩、粉末油脂、酵母パウダー/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸)、植物 レシチン(大豆由来) |
原材料名欄の「/(スラッシュ)」の前までが原材料です。
※スラッシュ以降は添加物です。後述します。
原材料は、使用量の多い順に並べる決まりになっていますので、先頭に表示されているうるち米がおせんべいの生地のベースであろうことが分かります。
また、表示の順番から、味付けとしては「砂糖>塩」ということも分かりますね。
でん粉やもち米粉、たんぱく加水分解物あたりも、おせんべいの生地、もしくは例の粉(ハッピーパウダー)の主成分として使われていそうです。
それぞれの原材料が、おせんべい部分とハッピーパウダー部分のどちらに使用されているかということは、残念ながら表示からは分かりません。
ハッピーターンの添加物表示
原材料名 | うるち米(米国産、国産)、植物油脂、 砂糖、でん粉、もち米粉(タイ産)、 たんぱく加水分解物(大豆を含む)、 食塩、粉末油脂、酵母パウダー/ 加工でん粉、調味料(アミノ酸)、植物 レシチン(大豆由来) |
原材料名欄のスラッシュ以降が添加物です。
原材料と同じく、使用量の多い順に並んでいます。
加工でん粉は、酢酸デンプンやリン酸化デンプン等の総称のようなものです。
もともと原材料扱いだったのですが、10年ほど前に食品添加物に指定された経緯があります。
加工でん粉は増粘剤や安定剤として使われることも多いのですが、その場合は「増粘剤(加工デンプン)」のように用途名を併記する決まりになっていますので、ハッピーターンには別の用途で使われていることが分かります。
よくある用途でいうと、食感改良あたりでしょうか。
味付けというよりは、おせんべい生地の一部を構成するかたちで使われていると思われます。
調味料は、甘味、酸味、苦味以外の味付けに使われる添加物です。
基本的には「うま味」だと思っていいと思います。
調味料(アミノ酸)という表示は、具体的な物質名ではなく、一括名と呼ばれる添加物の表示方法の一つです。
例えば、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなんかが、調味料として使われるアミノ酸の例として挙げられますね。
調味料にはアミノ酸のほか、有機酸や核酸、無機塩といった分類があるのですが、ハッピーターンの調味料にはアミノ酸以外のものは使われていません。
植物レシチンは、アブラナ由来または大豆由来の脂質の一種です。
大豆の場合は、アレルゲンの推奨表示品目ですので、大豆由来と書かれることが多いです。
使用の用途は乳化剤等が考えられます。
ハッピーターンの産地(原産国と原料原産地)
ハッピーターンの原産国表示
ハッピーターンには「原産国名」の表示がありません。
この場合、製品の原産国が日本ということを意味します。
名称 | |
原材料名 | |
内容量 | |
賞味期限 | |
保存方法 | |
原産国名 | 輸入品の場合、ここに国名 |
輸入者 |
「原産国名:アメリカ」のような表示はされますが、「原産国名:日本」のような表示はされずに、原産国名の項目そのものを設けないことになります。
ですので、原産国名が無い製品については、国産品ということが分かるわけです。
※ただし、ものすごく小さい商品(表示可能面積が約30cm2以下)の場合は、原産国名の省略が認められているので、輸入品であっても書かれない場合があります。これは、ごく僅かな限られたスペースの中に、アレルギーや賞味期限といった安全性に関わる項目を優先的に表示させるためです。
ハッピーターンの原料の産地表示
ハッピーターンの原料の産地は、米トレーサビリティ法に基づく表示がされています。
加工食品の場合、基本的には食品表示法に基づく原料原産地表示が必要なのですが、ハッピーターンは加工食品の中でも米菓に該当しますので、米の産地について、一般的な加工食品の原料原産地表示よりも詳しい表示が義務付けられています。
うるち米(米国産、国産)、もち米粉(タイ産)の部分がそうですね。
「うるち米(米国産、国産)」というのは、アメリカ産のうるち米と国産のうるち米を混ぜて使用していて、なおかつアメリカ産の使用割合の方が高いことを意味しています。
ハッピーターンの表示のココがポイント!
袋の裏面の右上に賞味期限が表示されていますが、(未開封)と書いてあるのがポイントです。
賞味期限は「おいしく食べることができる期限」のことですが、ハッピーターンに限らず、密封された製品では、未開封の状態で保存方法どおりに保存した場合の期限として設定されるものです。
(未開封)という表示は特に義務づけられているものではありませんが、消費者の方が必ずしも賞味期限の定義を知っている訳ではないと考えられますので、補足的に表示されているんだと思います。
栄養成分表示についてもそうですが、全体的に消費者の立場に立ったユーザーフレンドリーな表示がされていると感じます。
ですので、一度開けたものは欲望に任せて食べ切ってしまうのが正解ですよ(?)
菌などが短時間で簡単に増殖するタイプの食品では無いとは思いますが、しけってしまって食感が悪くなることは充分考えられます。
中に乾燥剤が入っていましたので、未開封の時はこれでしけってしまうのが防がれているんですね。
ちなみに、僕もハッピーターンを食べながらこのページを書いていたのですが、ついつい手が伸びまくってしまい、かなり早い段階で無くなってしまいました。
半分も書き終わってないあたりです。
100gあたり520kcalなので、一袋108gだとだいたい560kcalくらいですか。
(画像は個包装込みの重量)
まあ、セーフですかね(?)
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
ごちそう様でした。