※筆者および本サイトは、商品のメーカーとは一切関係がありません。最新の情報は、実物の表示やメーカー公式サイト等をご確認ください。
まえがき
食品の表示に関わる仕事をしているヤマケンと申します。（上級食品表示診断士）
今回は、アサヒ飲料株式会社さんの「カルピスソーダ」の食品表示を見ていきたいと思います。
目次のクリックやタップでその項目までジャンプできますので、興味のある項目だけでも読んでもらえたらと思います。※モバイル表示の場合、サイドバー内にあります。
カロリー・栄養成分表示
| 栄養成分表示 | 100ml当たり | 1本（500ml）当たり |
|---|---|---|
| エネルギー | 36kcal | 約180kcal |
| たんぱく質 | 0.2g | 約1.0g |
| 脂質 | 0g | 約0g |
| 炭水化物 | 8.9g | 約44.5g |
| 食塩相当量 | 0.04g | 約0.2g |
| 実際の表示 | 当サイト計算 |
・「カルピスソーダ」のカロリーは、100ml当たり36kcalです。
・1本（500ml）当たりに換算したカロリーは、約180kcalになります。
・「カルピスソーダ」の塩分（食塩相当量）は、100ml当たり0.04gです。
・1本（500ml）当たりに換算した塩分は、約0.2gになります。
※なお、脂質は0gの表示ですが、100mlあたり0.5g未満であればゼロ表示が可能です（単純に四捨五入してもゼロになります）ので、ごく微量含まれている可能性はあります。
一括表示（別記様式）
| 名称 | 炭酸飲料 |
| 原材料名 | 砂糖類（果糖ぶどう糖液糖（国内製造）、砂糖）、脱脂粉乳、乳酸菌飲料 ／炭酸、香料、酸味料、安定剤（大豆多糖類）、甘味料（アスパルテーム・ Ｌ－フェニルアラニン化合物、アセスルファムＫ） |
| 内容量 | 500ml |
| 賞味期限 | キャップに記載 |
| 保存方法 | 高温、直射日光をさけ保存してください。 |
| アサヒ飲料株式会社 東京都墨田区吾妻橋1-23-1 |
※社名の前が空欄なのは、「アサヒ飲料株式会社」さんが「販売者」になる場合も「製造者」になる場合もあるからだと考えられます。その理由や詳細については、後述しています。
⇒ページ後半にジャンプ：製造工場について
原材料／添加物
原材料
「カルピスソーダ」の原材料は・・・
原材料：砂糖類（果糖ぶどう糖液糖（国内製造）、砂糖）、脱脂粉乳、乳酸菌飲料
です。
※原材料名欄の「／（スラッシュ）」の前までが原材料で、使用量の多い順に並んでいます。
添加物
「カルピスソーダ」の添加物は・・・
添加物：炭酸、香料、酸味料、安定剤（大豆多糖類）、甘味料（アスパルテーム・Ｌ－フェニルアラニン化合物、アセスルファムＫ）
です。
※原材料名欄の「／（スラッシュ）」以降が添加物で、使用量の多い順に並んでいます。
アレルギー物質（アレルゲン）
特定原材料（義務表示７品目）
| 小麦 | 卵 | 乳成分 | 落花生 | そば | えび | かに |
・「カルピスソーダ」には、表示義務対象である「特定原材料」として「乳成分」が含まれています。
特定原材料に準ずるもの（推奨表示２１品目）
| アーモンド | あわび | いか | いくら | オレンジ | カシューナッツ | キウイフルーツ | |
| 牛肉 | くるみ | ごま | さけ | さば | 大豆 | 鶏肉 | |
| バナナ | 豚肉 | まつたけ | もも | やまいも | りんご | ゼラチン |
※クルミは将来的に義務表示品目に格上げされる方向で話が進んでいるようです。
・「カルピスソーダ」には、「特定原材料に準ずるもの」として「大豆」が含まれています。
・枠外の自主的な表示で、アレルゲンが「27品目中」と記載されています。義務7品目＋推奨21品目であれば合計28品目になりますので、2019年9月より推奨表示品目に追加されたアーモンドに関する表示については、本記事作成時点では未対応のようです。
産地表示・製造工場など
原産国
・「カルピスソーダ」の原産国（製品を製造した国）は「日本」です。
※輸入品の場合には原産国が表示されています（基本的には保存方法の次の位置に挿入されます）。逆に言えば、原産国の表示のない商品の原産国は日本ということになります。
※ただし、ものすごく小さい商品（表示可能面積が約30cm2以下）の場合は、原産国名の省略が認められていますので、輸入品であっても原産国が表示されない場合もあります。これは、ごく僅かな限られたスペースの中に、アレルギーや賞味期限といった安全性に関わる項目を優先的に表示させるためです。
原料原産地
※原料原産地は、使用している原料の産地のことで、製品自体の産地を示す原産国とは意味が異なります。
「カルピスソーダ」の原料原産地表示は・・・
果糖ぶどう糖液糖（国内製造）
です。
加工食品は、「最も使用量の多い原材料」の原産地（または製造地）の表示が2022年4月製造分より完全義務化されますが、「カルピスソーダ」は既にこれに対応されていて、製造地が表示されています。
製造工場について
・「カルピスソーダ」の製造所（製造工場）は「製造所固有記号」で表示されています。
製造所固有記号は、表示責任者に応答の義務があるほか、消費者庁のサイトから検索することも可能です。
製造所固有記号は、同一製品を複数箇所で製造する商品に限って使用が認められています。
ですので、商品のロットによって異なる場所で製造（または充填）していると考えられますが、今回入手した商品の記号は「＋Ｃ」で、製造者は「 アサヒ飲料株式会社」さんでした。つまり自社工場です。
製造所の住所は、「群馬県館林市大新田町１６６」です。「群馬工場」で作られた商品のようです。
・「カルピスソーダ」の一括表示には、保存方法の次に「●アサヒ飲料株式会社 東京都墨田区吾妻橋1-23-1」と書かれています。
「販売者：○○株式会社」や、「製造者：△△株式会社」と書かれることが一般的ですが、この「販売者」や「製造者」にあたる表示がありません。
どういうことかというと、「アサヒ飲料株式会社」さんが、「販売者」になることもあれば、「製造者（または加工者）」になることもある、ということです。
これは「製造所固有記号」を使用した商品で、たまに見られる表示です。
例えば・・・
- 普段は自社工場で作っていて（製造者：アサヒ飲料株式会社）
- 繁忙期は他社にも手伝ってもらう（販売者：アサヒ飲料株式会社）
とか、
- 関東向けは自社の群馬工場で作っていて（製造者：アサヒ飲料株式会社）
- その他の地方に流通する分は他社に作ってもらう（販売者：アサヒ飲料株式会社）
なんていうパターンが考えられます。
現行の製造所固有記号制度は、複数工場で袋やフィルム等の包材を共有化してロスを無くすための制度ですので、あらかじめ「製造者」または「販売者」と印刷してしまうとその意味を為さなくなってしまいます（包材を共有できなくなってしまいます）。
ですので、このようなケースでは、「製造者」や「販売者」を表示しなくても良いことになっています。
なお、この場合の「他社」には自社のグループ会社も含まれますので、一般にイメージする外注とは異なる場合があります。
あとがき
今回の「カルピスソーダ」は、ウエルシア薬局で購入しました。
「カルピスソーダ」は1973年に発売されたロングセラー商品です。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。