【食品表示レビュー】サバチ（味源）

※筆者および本サイトは、商品のメーカーとは一切関係がありません。最新の情報は、実物の表示やメーカー公式サイト等をご確認ください。

「サバチ」の食品表示

食品の表示に関わる仕事をしているヤマケンと申します。（上級食品表示診断士）

今回は、有限会社味源さんの「サバチ」の食品表示を見ていきたいと思います。

食品表示、つまりカロリーや原材料といった「食品のパッケージに書いてあること」のレビューになります。

目次のクリックやタップでその項目までジャンプできますので、興味のある項目だけでも読んでもらえたらと思います。※モバイル表示の場合、サイドバー内にあります。

カロリー・栄養成分表示

・「サバチ」のカロリーは、1袋30g当たり160kcalです。
・100g当たりに換算したカロリーは、約533kcalになります。

・「サバチ」の塩分（食塩相当量）は、1袋30g当たり0.7gです。
・100g当たりに換算した塩分は、約2.3gになります。

「サバチ」には「カルシウムがたっぷり」含まれていて、パッケージにもそのように表示されています。
「食品表示基準」では、100g当たり204mg以上で「カルシウム豊富」と言うことができるルールになっているところ、サバチは100g当たりカルシウム約263mgですので、余裕で条件を満たしています。さすがサバが７０％も使用されているだけありますね。

なお、サバ（というより魚全般）は、主に水分とたんぱく質や脂質で構成され、炭水化物はほぼ含まれません。

そのサバが70％使用されているにしては、サバチの100g当たり「たんぱく質約13.3g、炭水化物約51.3g」という栄養成分の構成比率には違和感があるかもしれません。

この理由としては、「水分を多く含むサバ」と、「水分をほとんど含まない、でん粉や砂糖など」を配合した場合、その比率が７：３であっても、後者のほうが最終製品の栄養成分に及ぼす影響が大きくなるからだと考えられます。

DHAやEPAは、「食品表示基準に定められていない成分」ですので、栄養成分表示の枠外に記載することとされています。

一括表示（別記様式）

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原材料／添加物

原材料

「サバチ」の原材料は・・・

原材料：さば、でん粉（サゴ、タピオカ）、砂糖、植物油、食塩

です。

※原材料は、使用量の多い順に並べるルールになっています。「サバ」が先頭に来ていますね。

添加物

「サバチ」には添加物表示はありません。

また、袋の正面の下部には「うま味調味料・保存料不使用」と書かれています。

なお、「添加物不使用」との記載はありませんので、もしかしたら表示が免除されるごく微量レベルで使用されているのかもしれません。（キャリーオーバーや加工助剤と呼ばれるものです。）
※サバチがそうだという意味ではなく、一般論としてそのような可能性がありますよ、という意味です。

関連ページ：加工食品の表示の見方：添加物表示の基礎知識

アレルギー物質（アレルゲン）

特定原材料（義務表示７品目）

・「サバチ」には、含まれていた場合に表示の義務がある「特定原材料」の「乳成分・卵・小麦・落花生・えび・かに」は含まれていません。

特定原材料に準ずるもの（推奨表示２１品目）

・「サバチ」には、「特定原材料に準ずるもの」として「さば」が含まれています。

・「さば」以外の特定原材料に準ずるもの（大豆、鶏肉、バナナなど）が含まれているかどうかは、パッケージの表示からは分かりません。

コンタミネーションに関する表示

※コンタミネーション表示で示される品目は、その製品の原材料のなかに含まれる品目ではなく、同じ製造ラインや同じ漁場などに含まれる品目です。意図しない混入が起こる危険性がある場合は、注意喚起として表示することが望ましいとされているため、設備の状態やメーカーの考え方によって表示している場合があります。

産地表示・製造工場など

原産国

・「サバチ」の原産国（製品を製造した国）は「タイ」です。

もともとタイの南部で愛され続けている、伝統的なお菓子のようです。

原料原産地

※原料原産地は、使用している原料の産地のことで、製品自体の産地を示す原産国とは意味が異なります。

・「サバチ」は、「原産国：タイ」の輸入品扱いの製品のため、原料原産地の表示義務はありません。

加工者

・「サバチ」の加工者は「有限会社味源」さんです。

「製造者」ではなく「加工者」になっています。

「加工」は、ざっくり言うと「切ったり、混ぜたり」といった「製造」には及ばない行為のことです。

また、原産国がタイにもかかわらず、「輸入者」の表示ではありません。

もしタイで「最終製品のパッキング」までしてから輸入していたら、「輸入者」の表示になっているはずです。

サバチのように、「原産国が表示されていて、輸入者ではなく加工者」の表示になるパターンは、「製品をカートン単位で輸入してきて、日本国内の工場で小分けパッキング」しているケースだと考えられます。
国内で「実質的な変更」がおこなわれていないため、原産国は日本ではなくタイのままになるんですね。

筆者の想像ですが、味源さんの国内工場では、単に「小分け」しているだけではなく、選別・検品なんかもしているんじゃないかと思われます。

ちなみにタイから輸入しているのが味源さんなのか、あるいは別の輸入商社等が引っ張ってきたものなのかは、パッケージの表示上からは分かりません。

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あとがき

今回の「サバチ」は、ウエルシア薬局で購入しました。

このサバチですが、「バカ売れ」してるらしいですね。

魚介の味はしっかりするものの、生臭さはなく、内容量は30gですが結構食べごたえがありました。

食べごたえがあって、30gで160kcalですので、おやつにちょうど良い感じですね。

サバ70％とは言っても、味わいや食感は、いわゆる干物とか、魚介珍味とか、おつまみのような感じではありません。

どちらかと言えば「おかき」のような米菓に近いイメージですが、近いとは言っても、米菓ともやっぱりまた違う、新感覚のおやつですので、是非一度試してみてください。

もともとタイの南部の伝統的なお菓子のようですが、日本に持ってきてヒットしたのは、「サバチ」というネーミングや、プロモーションが上手くはまったんでしょうね。

姉妹商品（？）の「ツナチ」も新たに発売されたようですので、時間があればレビューできればと思っています。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。

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