まえがき
上級食品表示診断士のヤマケンと言います。
今回は株式会社明治さんの「きのこの山」の食品表示を見ていきたいと思います。
表示確認日:2020年09月27日
※筆者および本サイトは、商品のメーカーとは一切関係がありません。最新の情報は、実物の表示やメーカー公式サイト等をご確認ください。
きのこの山のカロリー・栄養成分表示
栄養成分表示 | 1箱(74g)当たり | 100g当たり |
---|---|---|
エネルギー | 423kcal | 約572kcal |
たんぱく質 | 6.3g | 約8.5g |
脂質 | 26.7g | 約36.1g |
炭水化物 | 39.4g | 約53.2g |
食塩相当量 | 0.3g | 約0.41g |
実際の表示 | 当サイト計算 |
・きのこの山のカロリーは、1箱(74g)当たり423kcalです。
・100g当たりに換算すると約572kcalになります。
・きのこの山の塩分(食塩相当量)は、1箱(74g)当たり0.3gです。
・100g当たりに換算すると約0.41gになります。
きのこの山の一括表示(別記様式)
名称 | チョコレート菓子 |
原材料名 | 砂糖、小麦粉、カカオマス、植物油脂、全粉乳、ココ アバター、乳糖、ショートニング、練乳加工品、脱脂 粉乳、クリーミングパウダー、異性化液糖、麦芽エ キス、食塩、イースト/乳化剤、膨脹剤、香料、(一部 に小麦・乳成分・大豆を含む) |
内容量 | 74g |
賞味期限 | 下側の面に記載 |
保存方法 | 28℃以下の涼しい場所で保存してください。 |
製造者 製造所 | 株式会社 明治 東京都中央区京橋2-2-1 大阪府高槻市旭町1-10 |
きのこの山の原材料・添加物
きのこの山の原材料
※原材料名欄の「/(スラッシュ)」の前までが原材料で、使用量の多い順に並んでいます。
原材料:砂糖、小麦粉、カカオマス、植物油脂、全粉乳、ココアバター、乳糖、ショートニング、練乳加工品、脱脂粉乳、クリーミングパウダー、異性化液糖、麦芽エキス、食塩、イースト
きのこの山の添加物
※原材料名欄の「/(スラッシュ)」以降が添加物で、使用量の多い順に並んでいます。
添加物:乳化剤、膨脹剤、香料
きのこの山のアレルゲン(特定原材料等)
特定原材料(義務表示7品目)
小麦 | 卵 | 乳成分 | 落花生 | そば | えび | かに |
・きのこの山には、表示義務対象である「特定原材料」として「小麦・乳成分」が含まれています。
特定原材料に準ずるもの(推奨表示21品目)
アーモンド | あわび | いか | いくら | オレンジ | カシューナッツ | キウイフルーツ | |
牛肉 | くるみ | ごま | さけ | さば | 大豆 | 鶏肉 | |
バナナ | 豚肉 | まつたけ | もも | やまいも | りんご | ゼラチン |
※クルミは将来的に義務表示品目に格上げされる方向で話が進んでいるようです。
・きのこの山には、「特定原材料に準ずるもの」として「大豆」が含まれています。
・枠外の自主的な表示で、「アレルギー物質(27品目中)」と記載されています。義務7品目+推奨21品目であれば合計28品目になりますので、2019年9月より推奨表示品目に追加されたアーモンドに関する表示については、本記事作成時点では未対応のようです。
コンタミネーションに関する表示
●本製品は卵を含む製品と共通の設備で製造しています。
※コンタミネーション表示で示される品目は、その製品の原材料のなかに含まれる品目ではなく、同じ製造ラインや同じ漁場などに含まれる品目です。意図しない混入が起こる危険性がある場合は、注意喚起として表示することが望ましいとされているため、設備の状態やメーカーの考え方によって表示している場合があります。
ちなみに、卵を含む製品の一つは「たけのこの里」です。
きのこの山の産地(原産国、原料原産地、販売者、製造者等)
きのこの山の原産国
・きのこの山の原産国(製品を製造した国)は「日本」です。
※輸入品の場合には原産国が表示されています(基本的には保存方法の次の位置に挿入されます)。逆に言えば、原産国の表示のない商品の原産国は日本ということになります。
※ただし、ものすごく小さい商品(表示可能面積が約30cm2以下)の場合は、原産国名の省略が認められていますので、輸入品であっても原産国が表示されない場合もあります。これは、ごく僅かな限られたスペースの中に、アレルギーや賞味期限といった安全性に関わる項目を優先的に表示させるためです。
きのこの山の原料原産地
※原料原産地は、使用している原料の産地のことで、製品自体の産地を示す原産国とは意味が異なります。
きのこの山には、原料原産地の記載はありませんでした。
2022年4月の製造分からは主原料の原料原産地表示が完全義務化されますので、それまで商品の販売が続いていれば、改版(パッケージの一部を変更すること)して表示されることになると思います。
きのこの山の場合、「砂糖」が主原料に該当します。
きのこの山の製造者・製造所
・きのこの山の製造者は「株式会社明治」さんです。
製造委託等ではなく、自社で製造されています。
製造所の住所は、「大阪府高槻市朝日町1-10」です。
明治さんは北海道から九州まで工場を持たれていますが、チョコレートは大阪工場や坂戸工場(埼玉県)、東海工場(静岡県)で製造されているようです。
きのこの山のその他の表示
名称:チョコレート菓子
チョコレート類の名称に関しては、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」にて、同規約に定める種類別名称(チョコレート、準チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート菓子など)を表示することとされています。
「チョコレート菓子」とは、チョコレート生地が全重量の60パーセント未満のチョコレート加工品のことです。
チョコレート生地と準チョコレート生地の違いは、基本的には含まれるカカオ分の割合による違いです。
(参考)チョコレート生地:カカオ分が全重量の35パーセント以上(ココアバターが全重量の18パーセント以上)であって、水分が全重量の3パーセント以下のもの(ただし、カカオ分が全重量の21パーセントを下らず(ココアバターが全重量の18パーセント以上)、かつ、カカオ分と乳固形分の合計が全重量の35パーセントを下らない範囲内(乳脂肪が全重量の3パーセント以上)で、カカオ分の代わりに、乳固形分を使用することができる。)
あとがき
今回の「きのこの山」は、セブンイレブンで購入しました。
隣には「たけのこの里」が並んでいました。
「きのこたけけのこ」と言えば、何かと論争が起こりがちですが、この二つが仲良くセットになった「きのこたけのこ袋」というアソート品も発売されています。
どちらか一つに選べないという方にはもちろん、食べきりサイズの小袋のアソートになっていますので、きのこの山1箱(74g)では多すぎるという方にも向いている商品かもしれません。
筆者は一応食品表示を仕事としている人間ですので、最後に両者を食品表示の観点から客観的に比較してみたいと思います。
まずはカロリーや栄養成分の比較です。
実際は1箱あたりの数値が表示されていますが、100g当たりに換算して比較します。
栄養成分表示 | きのこの山 100g当たり | たけのこの里 100g当たり |
---|---|---|
エネルギー | 572kcal | 547kcal |
たんぱく質 | 8.5g | 7.9g |
脂質 | 36.1g | 32.6g |
炭水化物 | 53.2g | 55.6g |
食塩相当量 | 0.41g | 0.57g |
・カロリー:「きのこの山」のほうが多い。
・塩分:「たけのこの里」のほうが多い。
次は原材料に関する比較です。
商品 | 原材料 |
---|---|
きのこの山 | 砂糖、小麦粉、カカオマス、植物油脂、全粉乳、ココアバター、乳糖、 ショートニング、練乳加工品、脱脂粉乳、クリーミングパウダー、 異性化液糖、麦芽エキス、食塩、イースト |
たけのこの里 | 砂糖、小麦粉、全粉乳、カカオマス、ショートニング、鶏卵、植物油脂、 ココアバター、卵白、マーガリン、アーモンドペースト、乳糖、脱脂粉乳、 食塩、クリーミングパウダー、麦芽エキス |
・共通する原材料:砂糖、小麦粉、カカオマス、植物油脂、全粉乳、ココアバター、乳糖、ショートニング、脱脂粉乳、クリーミングパウダー、麦芽エキス、食塩
・きのこの山のみ:練乳加工品、異性化液糖、イースト
・たけのこの里のみ:鶏卵、卵白、マーガリン、アーモンドペースト
その他、以下のような共通点や違いがありました。
・添加物は同じでした:乳化剤、膨張剤、香料
・保存方法は同じでした:28℃以下の涼しい場所で保存してください。
・製造所も同じでした:大阪府高槻市旭町1-10
・アレルゲンに関して、「きのこの山:小麦・乳成分・大豆」に対して、「たけのこの里:小麦・卵・乳成分・大豆」と、卵の有無の違いがあります。
※ただし、きのこの山にもコンタミネーション表示の記載はあります:●本製品は卵を含む製品と共通の設備で製造しています。
・たけのこの里の原材料にアーモンドペーストがありますので、アーモンド(つい最近アレルゲン表示推奨品目に指定)の有無の違いもあると推定されますが、現在は表示対応の準備中だと考えられますので、詳細は公式サイトや実際の現物の表示をご確認ください。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
関連ページ:【食品表示レビュー】たけのこの里(明治)