上級食品表示診断士のヤマケンです。
賞味期限や消費期限の基本的な見方を解説していきます。
消費期限と賞味期限
まずは「消費期限」か「賞味期限」かチェック
名称 | |
原材料名 | |
内容量 | |
消費期限 | 2020.06.31 |
保存方法 | 10℃以下で保存してください。 |
製造者 |
名称 | |
原材料名 | |
内容量 | |
賞味期限 | 2020.12.31 |
保存方法 | 直射日光・高温多湿を避けて保存してください。 |
製造者 |
流通している食品パッケージには、上のような表や枠が表示されています。
この枠を表示すること(または、同じくらい分かりやすい方法で表示すること)が、法令で定められています。
表示する箇所に決まりはないのですが、だいたい裏面にあることが多いです。
その枠内に「消費期限」または「賞味期限」が記載されています。
これらは意味が違いますので、日付だけを見るのではなく、日付の前の事項名がどちらになっているかをまず確認してください。
消費期限について
「消費期限」が過ぎたものは食べない方が良い
消費期限は、品質が急速に劣化しやすい食品に対して、安全性を欠くこととなるお
それがない期限として設定されるものです。
ですので、消費期限が過ぎたものは食べるべきではありません。
お弁当やおにぎり、サンドイッチ等のラベルには、消費期限と書かれていることが多いので、興味があれば見てみてください。
賞味期限について
「賞味期限」は美味しく食べることができる期限
賞味期限は、比較的品質が劣化しにくい食品に対して、おいしく食べることができる期限として設定されるものです。
期限が過ぎたからといって、すぐに食べられなくなるものではありません。
とはいえ、例えば湿気り気味になったり油が分離してきたりして、本来のおいしさが損なわれていく場合があるので、なるべく早く食べたほうが良いかとは思います。
賞味期限が切れた食品だけを集めて、激安で販売している業者さんもありますね。
大量に破格で仕入れるルートがあるんだと思います。
賞味期限切れ食品の販売については、消費者庁のQ&A(食品表示基準Q&A)でも、期限内に販売することが望まれますとは書かれてはいるものの、一律に禁止されている訳ではありません。
それとは対照的に、消費期限切れの食品の販売については、同Q&A内で、厳に慎むべきとされていますので、明確に扱いが異なります。
賞味期限の年月表示
消費期限や賞味期限は、基本的に年月日で表示されます。
ただし、製造から賞味期限まで3ヶ月を越える商品では、年月での表示も認められています。
年月日表示の場合の賞味期限と、年月表示の場合の賞味期限の関係は、以下の表のようになっています。
年月日表示の場合の賞味期限 | 年月表示にする場合は |
---|---|
2020年10月30日 | 2020年09月 |
2020年10月31日 | 2020年10月 |
2020年11月01日 | 2020年10月 |
2020年11月15日 | 2020年10月 |
2020年11月29日 | 2020年10月 |
2020年11月30日 | 2020年11月 |
年月日表示の賞味期限が月末最終日の場合を除いて、その前の月が表示されますので、年月表示をしたからといって、年月日表示の場合に比べて賞味期限が延びるようなものではありません。
賞味期限の表示が省略される場合
以下のものについては、賞味期限の省略が認められています。
1.でん粉
2.チューインガム
3.冷菓
4.砂糖
5.アイスクリーム類
6.食塩及びうま味調味料
7.酒類
8.飲料水及び清涼飲料水
・以下いずれかのものに限ります。
ーガラス瓶入りのもの(紙栓をつけたものを除く)
ーポリエチレン製容器入りのもの
9.氷
省略が認められる根拠が「品質の変化が極めて少ないとされる」からですので、例えば食塩でも有機物を混ぜたものなんかは賞味期限が表示されますし、自主的に表示しているケースもあります。
保存方法と開封後の取扱いに注意
消費期限や賞味期限は、定められた保存方法のとおりに保存した場合の期限です。
また、密封されている商品の場合は、未開封の状態を前提とした期限ということにも注意が必要です。
「開封後の取扱い方法」や、「開封後の賞味期限の目安」等を自主的に記載しているメーカーもありますが、開封後の環境は温度や湿度、微生物など各家庭によっても様々なため、メーカー側として品質の担保が難しいのが現状です。
開封後の取り扱いに関しては、「賞味期限にかかわらず、開封後はお早めにお召し上がり下さい」等とだけ書かれていることが多いです。