| 和名 | エルニシア・エンテロコリチカ |
| 学名 | Yersinia enterocolitica |
| 特徴 | ●ネズミや家畜の腸内に分布 ●動物の排泄物に汚染された河川水や井戸水で感染 ●低温に強い（0～5℃でも増殖可能）。 ●増殖温度：増殖温度：-1.5～45℃（至適温度：25～30℃） |
| 潜伏期間 | 平均2～5日 回復まで4～15日と長期にわたる |
| 症状 | 腹痛、下痢、発熱（38℃以上）を伴う胃腸炎症状が現れ、 虫垂炎様症状、関節炎、咽頭炎を起こすこともある |
| 汚染源 | ヒト、家畜、イヌ、ネコ、ネズミなどの腸管内、土壌、地下水など 特にブタ（咽頭）は本菌を高確率に保菌する |
| 原因食品 | ●汚染された飲料水 ●食肉（市販豚肉は8.1％が汚染） ●サンドイッチ、加工乳、野菜ジュース |
| 発症菌量 | 不明 |
| 予防の ポイント | ●食肉、卵などを扱った器具、手指は、その都度洗浄消毒する。 ●食肉の生食は避け、十分加熱する。 ●ネズミの駆除。 ●ペットを調理場内に入れない。 ●低温（4℃以下）でも増殖するため、 食肉の冷蔵庫内での長期保存は避ける。 |
・食品安全委員会, ファクトシート《最終更新日：平成 28 年 9 月 30 日》
・一般社団法人東京都食品衛生協会, 食品衛生責任者教本‐東京都福祉保健局監修‐ 第37版
・公益社団法人神奈川県食品衛生協会, 食品衛生責任者テキスト 第8版
・一色賢司 (監修)/ 一般社団法人食品安全検定協会 (編集), 食品安全検定テキスト 中級 第2版
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「食品安全検定 中級」は、HACCPや食中毒の事例問題等が出題される試験です。
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エルシニア食中毒の発生状況
年次推移（発生件数／患者数／死者数）
| 年＼項目 | 件数（件） | 患者数（人） | 死者数（人） |
|---|---|---|---|
| 2010年 | – | – | – |
| 2011年 | – | – | – |
| 2012年 | 3 | 135 | – |
| 2013年 | 1 | 52 | – |
| 2014年 | 1 | 16 | – |
| 2015年 | – | – | – |
| 2016年 | 1 | 72 | – |
| 2017年 | 1 | 7 | – |
| 2018年 | 1 | 7 | – |
| 2019年 | – | – | – |
| 年＼項目 | 件数（件） | 患者数（人） | 死者数（人） |
|---|---|---|---|
| 直近10年平均 | 0.8 | 28.9 | 0.0 |
| 直近5年平均 | 0.6 | 17.2 | 0.0 |
直近10年のエルシニア食中毒の発生状況を見ると、散発的に発生しており、死者は出ていませんが、1件当たりの患者数が多くなっています。
月別状況（発生件数／患者数）
月別発生件数（件）
| 月＼年 | 5年平均 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 2月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 3月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 4月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 5月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 6月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 7月 | 0.2 | – | 1 | – | – | – |
| 8月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 9月 | 0.2 | – | – | 1 | – | – |
| 10月 | 0.2 | – | – | – | 1 | – |
| 11月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 12月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
月別患者数（人）
| 月＼年 | 5年平均 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 2月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 3月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 4月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 5月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 6月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 7月 | 14.4 | – | 72 | – | – | – |
| 8月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 9月 | 1.4 | – | – | 7 | – | – |
| 10月 | 1.4 | – | – | – | 7 | – |
| 11月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
| 12月 | 0.0 | – | – | – | – | – |
エルシニア食中毒の事例
以下に掲載する事例は、『食中毒統計資料 ｜厚生労働省』で公表されている食中毒事例より、「病因物質がエルシニアの事例」を抜粋して掲載したものです。
食中毒事例（２０１８年）
| 発生月日 | 発生場所 | 原因施設 | 摂食 者数 | 患者 数 | 死者 数 | 原因食品 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10月06日 | 国内不明 | 不明 | 不明 | 7 | 0 | 不明 |
食中毒事例（２０１７年）
| 発生月日 | 発生場所 | 原因施設 | 摂食 者数 | 患者 数 | 死者 数 | 原因食品 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 09月01日 | 秋田県 | 仕出屋 | 12 | 7 | 0 | 不明（8/30、配達弁当） |
食中毒事例（２０１６年）
2016年のエルシニア食中毒について
- 2016年は、7月、北海道（長万部町）にて患者数72名の大規模なエルシニア食中毒が報告されています。原因食品は明らかになっていません。
| 発生月日 | 発生場所 | 原因施設 | 摂食 者数 | 患者 数 | 死者 数 | 原因食品 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 07月08日 | 北海道 | 不明 | 265 | 72 | 0 | 不明 |
食中毒事例（２０１４年）
| 発生月日 | 発生場所 | 原因施設 | 摂食者数 | 患者数 | 死者数 | 原因食品 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 05月25日 | 山形県 | 仕出屋 | 85 | 16 | 0 | 不明（5月23日又は24日の昼食）（推定） |
食中毒事例（２０１３年）
2013年のエルシニア食中毒について
- 2013年は、4月、東京都の寄宿舎にて、「野菜サラダ」を原因食品とする大規模なエルシニア食中毒が報告されています（患者数52名）。
| 発生月日 | 発生場所 | 原因施設 | 摂食者数 | 患者数 | 死者数 | 原因食品 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 04月19日 | 東京都 | 事業場-寄宿舎 | 92 | 52 | 0 | 寮での食事（野菜サラダ） |
食中毒事例（２０１２年）
2012年のエルシニア食中毒について
- 2013年は、8月の長野県と9月の岩手県において、旅館の食事に起因する大規模なエルシニア食中毒が報告されています（それぞれ患者数39名、92名）。
- また、「簡易水道」に起因するエルシニア食中毒も発生しています。
| 発生月日 | 発生場所 | 原因施設 | 摂食者数 | 患者数 | 死者数 | 原因食品 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 07月14日 | 富山県 | その他 | 139 | 4 | 0 | 水道水（簡易水道） |
| 08月01日 | 長野県 | 旅館 | 110 | 39 | 0 | 不明（旅館の食事） |
| 09月06日 | 岩手県 | 旅館 | 261 | 92 | 0 | 旅館が提供した食事 |