日本の柿生産量の概要

カキ(柿)の生産量、日本一は和歌山県です。
2位以降の順位とシェア・推移についても、表とグラフで掲載しています。
※目次から任意の項目にジャンプすることもできます。
※なお、世界の生産量ランキングのページもあります。
関連ページ:【世界】柿(かき)の産地・生産量ランキング
※また、日本の「品種別」栽培面積ランキングのページもあります。
関連ページ:【品種別】柿(かき)の栽培面積ランキング/シェア
最新ランキングと国内シェア
※「最新」の意味について:農林水産省による主要な野菜・果物の統計の確報が公表されるのは「翌年の12月頃」です。そのため、2020年(令和2年)の生産量については、2021年12月頃の更新になります。

・柿は、渋み成分である「タンニン」の性質によって、【甘柿】と【渋柿】に大別されます。※それらの中間的な不完全甘柿、不完全渋柿もあります。
・甘柿:「不溶性タンニン」を含む品種の総称。渋み成分が水に溶けないため、そのまま生食できます(次郎柿、富有柿などが有名)。
・渋柿:「水溶性タンニン」を含む品種の総称。生で食べると口の中に渋みが広がるため、干柿にしたりして渋抜きをしてから出荷されます。
・カキ(柿)生産量の日本一は和歌山県で、全国シェアは20.8%です(2019年)。
・生産量1位の和歌山県、2位の奈良県、3位福岡県の3県あわせて、国内生産量の約44%を生産しています。
順位 | 都道府県 | 生産量 | シェア(構成比) |
---|---|---|---|
– | 全国 | 208,200 (t) | – |
1位 | 和歌山 | 43,400 (t) | 20.8% |
2位 | 奈良 | 31,300 (t) | 15.0% |
3位 | 福岡 | 16,600 (t) | 8.0% |
4位 | 岐阜 | 14,300 (t) | 6.9% |
5位 | 愛知 | 10,500 (t) | 5.0% |
6位 | 新潟 | 10,200 (t) | 4.9% |
7位 | 長野 | 9,620 (t) | 4.6% |
8位 | 福島 | 8,850 (t) | 4.3% |
9位 | 愛媛 | 8,300 (t) | 4.0% |
10位 | 山形 | 7,830 (t) | 3.8% |
※都道府県名のクリックで、各都道府県の特産物一覧ページを開きます。
1位:和歌山県
和歌山 | 順位 | 数値 | 全国シェア |
---|---|---|---|
生産量 | 1位 | 43,400 (t) | 20.8% |
結果樹面積 | 1位 | 2,510 (ha) | 13.3% |
・国産柿の生産量(収穫量)1位の産地、和歌山県の年間生産量は43,400 (t)で、全国シェアは20.8%です。
・結果樹面積は1位で、2,510 (ha)です。
⇒これは和歌山県全体の約0.531%を占める広さに相当し、「和歌山県の約188分の1は柿園」という計算になります。この「都道府県面積に対する柿結果樹面積の割合」は和歌山県が1位です。
・和歌山県内の柿の6割は伊都地方で栽培されています。柿を串に刺して干柿にする「串柿」が連なる風景は、晩秋の風物詩となっています。
2位:奈良県
奈良 | 順位 | 数値 | 全国シェア |
---|---|---|---|
生産量 | 2位 | 31,300 (t) | 15.0% |
結果樹面積 | 2位 | 1,790 (ha) | 9.5% |
・国産柿の生産量(収穫量)2位の産地、奈良県の年間生産量は31,300 (t)で、全国シェアは15.0%です。
・結果樹面積は2位で、1,790 (ha)です。
⇒これは奈良県全体の約0.485%を占める広さに相当し、「奈良県の約206分の1は柿園」という計算になります。
・現在の渋柿の主要品種の一つである「刀根早生柿(とねわせがき)」(不完全渋柿)は、奈良県の天理市が発祥の地とされています。
・また、「御所柿(ごしょがき)」(甘柿)は、かつては天皇や将軍献上品にもされていた御所市(ごせし)原産の柿で、正岡子規の句「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」に登場する柿も御所柿だと言われています。時代の流れとともに、大玉で安定生産が可能な「富有柿」等に取って代わられ生産量が激減していますが、最近ではこの御所柿を復活させようという動きもあるようです。
・余談ですが、農作物の生産量関連のランキングで奈良県が上位にくるのは非常に珍しいです。
3位:福岡県
福岡 | 順位 | 数値 | 全国シェア |
---|---|---|---|
生産量 | 3位 | 16,600 (t) | 8.0% |
結果樹面積 | 4位 | 1,220 (ha) | 6.5% |
・国産柿の生産量(収穫量)3位の産地、福岡県の年間生産量は16,600 (t)で、全国シェアは8.0%です。
・結果樹面積は4位で、1,220 (ha)です。
⇒これは福岡県全体の約0.245%を占める広さに相当し、「福岡県の約409分の1は柿園」という計算になります。
・2012年に「福岡K1号」(甘柿)が品種登録されています。これは、苗木や果実、その加工品を含めて、「秋王」の名称で福岡県を権利者とする商標登録もされています。県のホームページ等を見ても積極的にPRしている様子がうかがえます。
4位:岐阜県
岐阜 | 順位 | 数値 | 全国シェア |
---|---|---|---|
生産量 | 4位 | 14,300 (t) | 6.9% |
結果樹面積 | 3位 | 1,230 (ha) | 6.5% |
・岐阜県は柿生産量で4位につけ、全国シェアは6.9%となっています。
・現在の甘柿における主要品種の一つ「富有柿(ふゆうがき)」のルーツは、岐阜県の瑞穂市居倉とされています。とろけるような甘さ、柔らかさが特徴です。
・また、美濃加茂市の「蜂屋柿(はちやがき)」という渋柿の品種から作る干柿「堂上蜂屋柿(どうじょうはちやがき)」は贈答品として高く評価されており、知的財産として保護される「地理的表示(GI)」登録がなされています。
国内生産量の推移

年次 | 全国 | 和歌山 | 奈良 | 福岡 | 岐阜 | 愛知 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2002年 | 269,300 | 58,500 | 27,300 | 21,900 | 17,300 | 15,900 | 128,400 |
2003年 | 265,000 | 57,700 | 28,500 | 25,900 | 17,200 | 12,600 | 123,100 |
2004年 | 232,400 | 52,100 | 26,400 | 17,500 | 14,700 | 13,200 | 108,500 |
2005年 | 285,900 | 62,800 | 28,300 | 25,400 | 18,900 | 14,400 | 136,100 |
2006年 | 232,700 | 49,900 | 25,700 | 14,600 | 16,900 | 12,600 | 113,000 |
2007年 | 244,800 | 52,400 | 28,100 | 20,400 | 14,800 | 12,700 | 116,400 |
2008年 | 266,600 | 53,900 | 29,200 | 20,900 | 16,600 | 14,700 | 131,300 |
2009年 | 258,000 | 57,300 | 30,900 | 24,800 | 17,700 | 11,100 | 116,200 |
2010年 | 189,400 | 35,400 | 22,300 | 14,900 | 9,900 | 10,100 | 96,800 |
2011年 | 207,500 | 47,200 | 28,600 | 15,300 | 13,200 | 10,400 | 92,800 |
2012年 | 253,800 | 53,900 | 30,100 | 25,000 | 16,600 | 19,300 | 108,900 |
2013年 | 214,700 | 48,200 | 28,500 | 19,400 | 13,400 | 12,300 | 92,900 |
2014年 | 240,600 | 47,000 | 32,600 | 22,400 | 13,800 | 14,400 | 110,400 |
2015年 | 242,000 | 50,500 | 30,600 | 20,400 | 15,200 | 15,800 | 109,500 |
2016年 | 232,900 | 46,500 | 34,200 | 16,400 | 15,900 | 15,200 | 104,700 |
2017年 | 224,900 | 47,500 | 32,800 | 18,000 | 14,600 | 12,800 | 99,200 |
2018年 | 208,000 | 39,200 | 28,300 | 15,900 | 13,900 | 13,500 | 97,200 |
2019年 | 208,200 | 43,400 | 31,300 | 16,600 | 14,300 | 10,500 | 92,100 |
・日本の柿の生産量は、やや減少傾向を示しています。
・全国シェア2位の奈良県に関しては、柿の生産量は増加傾向にあります。
【参考資料について】
ランキング表やグラフ等(個別に出典または引用表記のあるものを除く)は、農林水産省・水産庁・総務省またはFAO(国際連合食糧農業機関)によるデータを再編集または一部加工し、食品データ館が作成したものです。