日本の梨(日本なし)生産量の概要

日本なし(梨)の生産量、日本一は茨城県です。
※西洋なし(洋梨)については別集計です。
【関連ページ】【都道府県】西洋なし(洋梨)の産地・生産量ランキング
※なお、日本の「品種別」栽培面積ランキングのページもあります。
関連ページ:【品種別】日本なし(和梨)の栽培面積ランキング/シェア
2位以降の順位とシェア・推移についても、表とグラフで掲載しています。
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最新ランキングと国内シェア
※「最新」の意味について:農林水産省による主要な野菜・果物の統計の確報が公表されるのは「翌年の12月頃」です。そのため、2020年(令和2年)の生産量については、2021年12月頃の更新になります。

・日本人が通常イメージする秋の味覚「梨」ですが、特に洋梨や中国梨と区別する場合には、「日本なし」や「和梨」などと呼ばれます。
・日本なしは果皮が褐色の「赤梨系」と、黄緑色の「青梨系」に大別されます。
・品種別シェアでは、赤梨系の「幸水」がトップ、次いで同じく赤梨系の「豊水」、大きく離れて赤梨系の「新高」、青梨系の「二十世紀梨」と続いています。
・日本なし(梨)生産量の日本一は茨城県で、全国シェアは9.5%です(2019年)。
・生産量1位の茨城県、2位の千葉県、3位栃木県の3県あわせて、国内生産量の約27%を生産しています。
順位 | 都道府県 | 生産量 | シェア(構成比) |
---|---|---|---|
– | 全国 | 209,700 (t) | – |
1位 | 茨城 | 20,000 (t) | 9.5% |
2位 | 千葉 | 19,300 (t) | 9.2% |
3位 | 栃木 | 18,100 (t) | 8.6% |
4位 | 福島 | 16,000 (t) | 7.6% |
5位 | 鳥取 | 14,700 (t) | 7.0% |
6位 | 長野 | 12,800 (t) | 6.1% |
7位 | 福岡 | 8,420 (t) | 4.0% |
8位 | 熊本 | 8,350 (t) | 4.0% |
9位 | 新潟 | 8,280 (t) | 3.9% |
10位 | 大分 | 7,600 (t) | 3.6% |
※都道府県名のクリックで、各都道府県の特産物一覧ページを開きます。
1位:茨城県
茨城 | 順位 | 数値 | 全国シェア |
---|---|---|---|
生産量 | 1位 | 20,000 (t) | 9.5% |
結果樹面積 | 2位 | 952 (ha) | 8.6% |
・国産の梨生産量(収穫量)1位の産地、茨城県の年間生産量は20,000 (t)で、全国シェアは9.5%です。
・結果樹面積は2位で、952 (ha)です。
⇒これは茨城県全体の約0.156%を占める広さに相当し、「茨城県の約640分の1は梨園」という計算になります。
・茨城県では、茨城生まれの新品種、大玉でみずみずしい「恵水」が2011年に品種登録され、2016年より出荷が開始しています。
2位:千葉県
千葉 | 順位 | 数値 | 全国シェア |
---|---|---|---|
生産量 | 2位 | 19,300 (t) | 9.2% |
結果樹面積 | 1位 | 1,390 (ha) | 12.5% |
・国産の梨生産量(収穫量)2位の産地、千葉県の年間生産量は19,300 (t)で、全国シェアは9.2%です。
・結果樹面積は1位で、1,390 (ha)です。
⇒これは千葉県全体の約0.270%を占める広さに相当し、「千葉県の約371分の1は梨園」という計算になります。この「都道府県面積に対する梨結果樹面積の割合」は千葉県が1位です。
・千葉県の梨に関しては、「市川の梨(市川のなし)」、「船橋のなし」、「しろいの梨」が地域団体商標(地域ブランドのようなもの)として登録されています。
・現在の主力品種は「幸水」です。なお、鳥取県の主力品種である「二十世紀梨」の発祥は、明治時代の千葉県松戸市と言われています。
3位:栃木県
栃木 | 順位 | 数値 | 全国シェア |
---|---|---|---|
生産量 | 3位 | 18,100 (t) | 8.6% |
結果樹面積 | 4位 | 741 (ha) | 6.7% |
・国産の梨の生産量(収穫量)3位の産地、栃木県の年間生産量は18,100 (t)で、全国シェアは8.6%です。
・結果樹面積は4位で、741 (ha)です。
⇒これは栃木県全体の約0.116%を占める広さに相当し、「栃木県の約865分の1は梨園」という計算になります。
・幸水や豊水をはじめ、果実が大きくジューシー、保存性にも優れる栃木県のオリジナル品種「にっこり」など、様々な品種が栽培されています。
注目:鳥取県(梨の購入量日本一)
鳥取 | 順位 | 数値 | 全国シェア |
---|---|---|---|
生産量 | 5位 | 14,700 (t) | 7.0% |
結果樹面積 | 6位 | 703 (ha) | 6.3% |
・鳥取県の梨生産量は5位で、年間14,700 (t)生産しています。
⇒人口の少ない県(約56万人)ですので、単純な収穫量の都道府県比較では5位という位置ですが、(都道府県人口で割った)一人当たり収穫量という視点で見ると全国1位となっています。
・品種は、酸味と甘さのバランスが良く、シャキシャキとした食感の「二十世紀梨」が主に栽培されています。
・なお、鳥取県は、一世帯(単独世帯除く)当たりの梨の年間購入金額(8,384円)、購入量(12,115g)ともに全国1位となっています(各都道府県庁所在地間での比較)。鳥取県は、梨の名産地であると同時に、日本でも有数の梨の消費地であります。
※総務省統計局,『家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(2017年(平成29年)~2019年(令和元年)平均)』より
国内生産量の推移

年次 | 全国 | 茨城 | 千葉 | 栃木 | 福島 | 鳥取 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2002年 | 375,700 | 39,100 | 42,400 | 26,900 | 26,100 | 36,000 | 205,200 |
2003年 | 332,200 | 34,000 | 32,800 | 22,900 | 25,700 | 30,600 | 186,200 |
2004年 | 328,100 | 36,100 | 40,800 | 24,700 | 26,600 | 28,400 | 171,500 |
2005年 | 362,400 | 38,900 | 41,100 | 26,400 | 28,000 | 29,800 | 198,200 |
2006年 | 291,400 | 29,200 | 34,900 | 19,200 | 22,300 | 23,800 | 162,000 |
2007年 | 296,800 | 28,900 | 36,500 | 22,600 | 22,700 | 24,700 | 161,400 |
2008年 | 328,200 | 33,200 | 39,400 | 23,700 | 25,500 | 24,600 | 181,800 |
2009年 | 317,900 | 32,400 | 40,200 | 23,300 | 25,600 | 22,300 | 174,100 |
2010年 | 258,700 | 25,100 | 31,600 | 22,000 | 23,200 | 16,000 | 140,800 |
2011年 | 286,200 | 27,600 | 38,100 | 23,000 | 21,600 | 21,000 | 154,900 |
2012年 | 275,400 | 26,500 | 34,400 | 22,300 | 17,800 | 21,100 | 153,300 |
2013年 | 267,200 | 28,000 | 36,900 | 15,900 | 19,800 | 20,100 | 146,500 |
2014年 | 270,700 | 27,100 | 33,500 | 21,700 | 19,600 | 18,500 | 150,300 |
2015年 | 247,300 | 26,300 | 31,700 | 20,700 | 20,500 | 19,200 | 128,900 |
2016年 | 247,100 | 24,800 | 32,700 | 19,600 | 19,400 | 18,800 | 131,800 |
2017年 | 245,400 | 23,400 | 32,000 | 19,000 | 18,900 | 18,400 | 133,700 |
2018年 | 231,800 | 23,800 | 30,400 | 20,400 | 17,100 | 15,900 | 124,200 |
2019年 | 209,700 | 20,000 | 19,300 | 18,100 | 16,000 | 14,700 | 121,600 |
・国産の日本梨生産量は、減少傾向で推移しています。
【参考資料について】
ランキング表やグラフ等(個別に出典または引用表記のあるものを除く)は、農林水産省・水産庁・総務省またはFAO(国際連合食糧農業機関)によるデータを再編集または一部加工し、食品データ館が作成したものです。